先月、ダイレクトカーズが仲間入りし、パワーアップを発表したLAC Holdings。その新体制を支えることになる新工場が完成し本格稼働を開始した。場所は岡山県倉敷市。敷地の面積は約2600坪。建物も床面積約1000坪と、1から設計をして建設したキャンピングカー工場としては日本最大規模とのこと。こちらは同社のキャブコン、リバティの専用工場になるとのこと。なお今回の新工場の稼働により、既存の徳島の工場ではバンコンの製造に集中し、生産台数も多くなる予定だ。
こだわりの詰まった工場
今回本格稼働を開始した「アネックス倉敷玉島工場」は、既存の施設を改修したのではなく、全くの新設。なので、工場の設計も1から行われており、そのレイアウトやデザインにはこだわりが詰まっている。
まずは働く人が快適に安全に働くことができるよう、働く環境を整えるための施設や設備が。例えば夏が暑いエリアに建つ工場ということで、部品の倉庫も含めエアコンを導入。快適な温度の中で働けるようになっている。また、おしゃれなIKEAのインテリアでまとめられた「社員食堂」と呼ばれるスペースにはキッチンも整っており自炊もできるようになっている。ほかにも汗を流して帰宅できるように、更衣室にはシャワールームも。
そしてLACグループのスピリットを象徴するような仕掛けも。コロナ禍で増えたオンラインミーティングにスマートに対応できるよう小規模な会議室を2つ設置。その2つの会議室はそれぞれ「LIFE」と「ADVENTURE」と名付けられている。そしてもう1つある大きな会議室は「CONFERENCE」と名付けられ、会議室の頭文字をとるとLACとなる。LACグループのLife is an Adventure with Cという理念にも通じている。
効率的に作業が進むよう工夫も随所に
もちろん工場ということで、その本分であるキャンピングカーの製造がスムーズに進むように設計にも工夫がされている。工場内は極力柱を無くした設計になっているほか、キャンピングカーに必要な装備類の在庫も運搬しやすいように設備がそろっている。また柱がないことで設置場所に工夫が必要になった電気のコンセントやエアの配管については、床下に配線や配管を施してアクセスできるようにし、工場全体で使いやすいようになっている。
ほかにも、たくさんのパーツや装備が必要なキャンピングカー組み立てにあたり、効率よく作業を進められるように、1台1台それぞれに必要なパーツ、装備を1つの専用台車にあらかじめ集めておけるようになシステムになっている。これにより、取りに行く時間も節約でき、またさまざまなオーダーに応じた正確な組み立てにも役立つだろう。
2022年度はこの新工場で約80台程度のキャブコンの製造を予定しているそうだが、徐々に体制を整え、ゆくゆくは年間で300台の製造を目指すとのこと。
今後の展望も
この「アネックス倉敷玉島工場」だが、実はこれが完成形ではない。敷地内には今後活用をしていきたいというエリアがまだ残っており、LACグループで扱う輸入車のオプションの取り付けなどを行う場所を作る構想があるようだ。
またLACグループとしても、ダイレクトカーズが合流し、そのスケールメリットを活かした取り組みや、それぞれのクルマを相互に扱うといったことが広がっていくとのこと。近いところでは、この秋に開催されるデルタリンク主催のイベントにダイレクトカーズが出展予定。LAC Holdingsとしての今後の展開にも注目だ。