キャンピングカーの基礎知識

じつはあなたにもピッタリ?キャンピングトレーラー入門!乗る前の「わからん」を大解説(前編)

キャンピングトレーラーのプロ、インディアナ・RVで聞いてみた

街なかでもよく見かけるようになってきたキャンピングカー。最近ではテレビ番組で取り上げられるなど注目度も高まっているが、キャンピングカーと聞いてよくイメージされるのは、「キャブコン」や「バンコン」と呼ばれるモデル。「キャンピングトレーラー」はまだまだ具体的にイメージしにくいモデルなのかもしれない。いざキャンピングカーを買おうと思っても、キャンピングトレーラーは「特別な免許が必要そう」や「そもそも運転できるのか」、「トレーラーを引っ張れるようなクルマ持ってないし」、「お高いんでしょう?」などなどわからないことだらけで、敬遠しちゃいそう。でもじつは他のキャンピングカーに負けず劣らず魅力満点!
今回はそんなちょっとマイナーでイメージしづらいキャンピングトレーラーのイメージを覆すべく、トリガノやクナウスといったキャンピングトレーラーを中心に、軽キャンピングカーのインディ727などを扱うインディアナ・RVに素直に疑問をぶつけ、キャンピングトレーラーの魅力はもちろん、仕組みや、お金のことを大解説!

そもそもキャンピングトレーラーって?

街なか数あるキャンピングカーの中でも個性派なのが、キャンピングトレーラー。通称トレーラーとも呼ばれる。それ自体にはエンジンなどの動力装置がなく、ヘッド車と呼ばれるクルマを別途用意し、それに連結して引っ張って移動する仕組みだ。車軸、足回り、タイヤ、ブレーキのみのシンプルな作りなので、同じサイズの自走式キャンピングカーに比べると室内がとても広いというメリットが。そしてシンプルゆえに機械的な故障も少なく、価格もリースナブルな傾向だ。

そしていま日本で走っているキャンピングトレーラー、一部国産のものもあるが、その多くは輸入車。どこからやってきているかというと、主に北米と欧州。今回質問に答えてくれたインディアナ・RVで扱っているトリガノはフランス、クナウスはドイツのメーカーだ。
北米のモデルと欧州のモデル、いろいろと違いや特徴があるが、気をつけておきたいのがブレーキの仕組みの違い。主に北米やオセアニアのモデルは電磁ブレーキ、欧州のモデルは慣性ブレーキを採用している。この違いによりどんな影響があるのかというと、電磁ブレーキを採用しているモデルをけん引する場合、その電磁ブレーキを作動させるための機器をヘッド車にも付ける必要があるということ。慣性ブレーキのモデルはその部分において特にヘッド車をいじる必要はない。

私でも運転できる?いま乗っているクルマでも引っ張れる?

キャンピングトレーラーの購入を考えたとき「けん引」は避けて通れない。まずはそこからQ&Aで解説していきたい。

Q:普通自動車免許(AT限定)しか持っていなくても、キャンピングトレーラーを運転できる?

A:できる。
キャンピングトレーラーには「けん引免許不要」なモデルと「けん引免許が必要」なモデルがあり、それは車両の重量によって分けられている。このうち「けん引免許不要」なモデルはけん引免許を持っていなくても、けん引して公道を走ることができるのだ。

このようにけん引免許がなくても「けん引免許不要」なモデルのトレーラーをけん引することはできる

Q:「けん引免許不要」なモデルと「けん引免許が必要」なモデル何が違う?

A:車両の重量。
車両総重量750kg以下のモデルが「けん引免許不要」なモデルで、そこを超えるとけん引免許が必要になる。

Q:何かをけん引して運転したことがない。いきなり動かせるか不安。

A:前進は意外と簡単。右左折の際などは後ろにトレーラーがくっついていることを意識して運転してもらえれば。そして後進(バック)はけん引していないときと違う動きにはなるが、トレーラーの動きをしっかり見て動かせば大丈夫。

キャンピングトレーラー初体験の編集部の2人が、トレーラーのけん引を体験した動画。参考にぜひ

Q:キャンピングトレーラーをけん引するためにはヘッド車になるクルマも買い替えないとダメ?

A:必ずしも買い替えは必要ではない。
キャンピングトレーラーをけん引できるかどうかを確認するためには、車両の性能をもとにきちんとした計算をして確認する必要がある。一般的に国産車であれば、排気量2000cc以上が車両総重量750kg 以下のキャンピングトレーラーのけん引に必要なクルマの目安。なので意外とけん引できるクルマは多い。ただいま乗っているクルマがけん引できるかどうかは、そのクルマの性能やトレーラーのブレーキなどいろいろな条件から確認しなければならないので、プロである販売店のスタッフに確認してほしい。
またけん引の際にはクルマの性能のほかに、クルマにトレーラーを連結するためのヒッチ(トーバー)をつけられるかどうか、適合するものがあるかどうかも確認が必要になる。

トレーラーの魅力は?

意外にも運転のハードルは低そう。いま、大きめのクルマに乗っているなら、そのままそのクルマで引っ張れる可能性もあるようだ。そうなるとキャンピングトレーラーもがぜん検討の候補に上がってくる。そこで気なるのが、その魅力……

Q:キャンピングトレーラーの魅力はスバリ?

A:まずは価格。同じような装備の自走式キャンピングカーに比べると1/4程度の価格で手に入るものも。
そして、いま乗っているクルマでキャンピングトレーラーをけん引できるのであれば、ライフスタイルに影響もなく、大きな追加出費もない。
そのほか、自走式のキャンピングカーの使い勝手とはまた違う、キャンピングトレーラーならではのクルマ旅のスタイルを楽しめるのも魅力だ。

300万円台で手に入るエメロード407にもしっかりしたキッチンや、冷蔵庫、ダイネット、マルチルームなどがそろっている
マルチルームもシャワーやトイレが備わり使いやすい

Q:キャンピングトレーラーならではの旅のスタイルの魅力とは?

A:旅先での移動がラクなこと。
キャンピングトレーラーを常に引っ張って旅先を巡る…のではなく、出発地からまずはオートキャンプ場やRVパークといった「目的地」へ。そこでトレーラーを切り離し、身軽になっていざ!というのがトレーラーならではのスタイル。
買い出しや観光も、トレーラーを切り離した後なら普通乗用車で行くのと変わらないので、駐車する場所や道の細さを気にしなくてもいい。それに、トレーラーが残っているので、旅のメンバーでキャンプ場などでゆっくりしたい人と出かける人に分かれてしまっても困らない。これは便利。逆に安心して駐車、宿泊できる場所であるオートキャンプ場やRVパークの場所をしっかり確認して出かける必要があるので、自由気ままな車中泊旅のスタイルは少し難しい面も。

切り離して、身軽にお出かけもできるし、テントなどを用意しなくてもキャンプ場で過ごす場所も確保できる
キャンピングトレーラーで旅をした様子はこちらから

まだまだ疑問は尽きないが、前編はここまで。次回は後編として、「具体的にどんなモデルがあるの?」や「気になる買ったあとのお金のこと」などズバズバ聞いていきたいと思います!

後編はこちらから

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