キャンピングカーで楽しむ

キャンピングカーで「日本列島 RVパークの旅」④「UD GARDEN<くるま旅パーク>(熊本県)」【キャンピングカーRVパーク連載】

実泊! 全国個性派RVパークガイド 番外編

キャンピングカーや車中泊仕様車でどこに泊まれるのかというと、道の駅や有料道路のパーキングを連想しがち……。でもこれらの場所は、休憩のための仮眠はオッケーでも宿泊できる場所ではありません。そこで利用したいのが、RVパーク。キャンピングカーの製造メーカーやディーラーで構成される日本RV協会が設置を進める「快適で安心して車中泊できるスペース」のことで、入浴施設やトイレ、電源設備などが備わります。実際にオートキャンパー WEB編集部が全国各地のRVパークに実際に泊まってその魅力をお伝えします。なお、2023年9月11日現在、日本全国にRVパークは364カ所ほど存在しています。

観光スポットが数多い、風光明媚な「阿蘇」旅の基地にぴったり

「阿蘇」は九州・熊本県の北東部に位置し、世界有数のカルデラ地形や活火山の阿蘇五岳があることから「火の国」と呼ばれている。さらに県内には1000カ所以上の湧水ポイントが点在しており、火の国としてだけではなく「水の国」としても有名。そんな阿蘇エリアは九州のちょうどまん中に位置することから「九州のおへそ」とも言われ、「阿蘇ジオパーク」として2014年にユネスコに認定されており、国内外から多くの観光客が訪れる。

熊本は2016年の熊本地震、2020年の7月豪雨(熊本豪雨)と近年に2度の大きな災害に見舞われた。特に熊本地震では、長崎から熊本を通り大分までを結ぶ主要道路である国道57号線をはじめとした幹線道路や鉄道が寸断。しかしながら2020年の8月より国道57号線の2ルートが復旧、さらに2023年7月には復旧工事を終えて南阿蘇鉄道も全線開通し、阿蘇までのアクセスもグンと向上している。
今回紹介するくるま旅パーク「UD GARDEN」はそんな国道57号沿いにあるパークで、前述した災害の影響もあったが2023年1月にリニューアルされた。

パーク敷地内にはさまざまなテナントがあり、食事や遊びの幅も広がる

と、その前に、この「UD GARDEN」はRVパークではなく、くるま旅パーク。RVパークのような車中泊専用パークではないものの、車中泊ができる施設として登録されている。パークの位置は標高450m~550mの阿蘇谷で、夏は涼しいので避暑地としても人気。自然豊かなエリアだけに夜は星空も堪能できる。

パーク内には国道沿いに食事処、カフェ、アウトドアショップ、セレクトショップ、ネイルサロンなどがあるため利便性が高く、裏手にはミニドッグランやヤギの放牧、トレーラーハウスの宿泊施設などがあり、ここで一日のんびり過ごすのもあり。区画はおおまかにしか決まっておらず、電源の位置から駐車する場所が決まっていく感じ。敷地面積があるため、利用可能台数も20台程度(芝生と舗装合わせて)となっており、大型車やキャンピングトレーラーも受け入れが可能とのこと。

宿泊する際の施設設備はトイレやシャワー、温水式の炊事場など、清潔感もたっぷりで、コインランドリーも備えているなど、その充実度は枚挙にいとまがない。さらに今後はサウナも登場予定なのでこちらも楽しみ。電源は無料でWi-Fiも近く整備される予定。BBQや焚き火は芝生エリアでのみ可能となっている。

芝生サイトには特に区画を区切っているわけではなく、当日の利用台数などにより駐車する場所を決めている。後方に見える赤いのが電源ボックス
アメリカンキャンピングトレーラーが常設。宿泊も可能だから…
キャンピングカーでは大人数で寝られないなんてときでも安心!
敷地内にある「Goodtimer」はヴィンテージキャンプギアをメインに、センスのいい雑貨類・キャンプギア、古着などのセレクトショップ。薪も売っているので宿泊時にはぜひチェックしたい
「On’s Coffee」では淹れたてコーヒーのほか、オリジナルウエアなどを販売
日中はスマートEVやスマートトライクもレンタルしているのでキャピングカーを停めて周辺の散策に活用するのもあり。料金は1時間1000円

パーク敷地内にある「あか牛バーガー Southern」では阿蘇の名物として知られるあか牛のハンバーガーが味わえる。パティは肉厚で旨味をしっかり残しつつもあっさり
ポテトとドリンクが付いた「あか牛バーガーセット」は1300円。テイクアウトも可能。麺類なら隣の「葵食堂」がおすすめ
2023年7月1日にオープンした「ALOHA ASO」はかき氷専門店で夏にピッタリ
サイズは小が300円で大が500円。さらに写真のように生クリームや小豆など、トッピングも豊富!
パークに宿泊する人で、晩ご飯が外食派なら敷地内の「ごはん屋OKAGE」がお薦め
人気は数あるおかずから2品選べる「OKAGEのおばんざい定食(1280円)」
シャワーの利用が無料というのもうれしいサービス
トイレは温水洗浄機能付きで快適
、洗濯機&乾燥機もあるので長旅の人にも安心
施設ではヒツジを買っているので餌やり体験も楽しめる
。ミニドッグランやすべり台などの遊具もあるので子供やペット連れのリピーターも多い

阿蘇の人気観光スポットや買い物にも便利な立地

パークは阿蘇の名所へのアクセスがしやすいのも特徴。例えば道の駅・阿蘇までならちょうど5km。阿蘇パノラマラインで阿蘇火山博物館(約15km)・草千里ヶ浜などにも行きやすく、眺望のよさやドライブコースで知られるミルクロードや阿蘇スカイラインなどに行くにも往き来がしやすいため、観光の基地にもってこい。阿蘇を満喫する場合、1日というよりは2~3日かけてのんびりすることも多いだろうからこうした立地のよさはありがたい。

道の駅 阿蘇はJR豊肥本線、阿蘇駅に隣接。駐車台数も多く駐車もしやすい。阿蘇高菜は阿蘇の寒冷な気候と火山灰の大地が育む伝統野菜。新漬け(浅漬け)が特におすすめ!
 道の駅から徒歩2分のところには入浴施設「阿蘇坊中温泉 夢の湯」があり、掛け流しの天然温泉でゆったりと疲れを取ることもできる。大人400円・子供200円

実際に宿泊してみると国道沿いとはいえ片道1車線ずつの道路だし、裏手にあることもあって想像以上に静か。さらにオーナーが言うとおり夜空も美しかった。のんびりと就寝前まで焚き火タイムも満喫。深夜、トイレに立ったときにそばの林からゴソゴソと音がしていことをオーナーに伝えると「よく野生のシカが散歩している」とのこと。確認はできなかったが自然豊かな阿蘇を感じられたエピソードだろう。再び阿蘇エリアで旅をする際は一度はぜひとも立ち寄りたいパークであった。

阿蘇山とは阿蘇五岳を中心にした中央部の山々を指す。ただし、学術的な意味では外輪山や火口原をも含めたものを阿蘇山や阿蘇火山などと呼んでいる。そんな阿蘇の中心にある阿蘇五岳は中岳をはじめ高岳、根子岳、杵島岳、烏帽子岳からなり、標高がいちばん高いのが高岳で1592m。こうした阿蘇の全景を楽しむには外輪山の北側にある菊池阿蘇スカイライン~ミルクロード(県道45号・12号)をドライブするのがお薦め
阿蘇のブランド牛である「あか牛」は正式には「褐毛和種(あかげわしゅ)」と言われる。肉質は赤身が多く適度の脂肪分も含み、うま味とやわらかさ、それでいてヘルシーさで人気。阿蘇ではたくさん「あか牛丼」のお店があるのでぜひともお試しを!

UD GARDEN(くるま旅パーク)のDATA

〒869-2231 熊本県阿蘇市永草2569-1 
☎︎080-3989-6956 UD GARDENのInstagram
当日予約:○ WEB予約:○ トイレ:○(暖房便座) 炊事場:○ ペット:○ ダンプステーション:×  入浴施設:○(シャワー) AC電源:○ 発電機:○(時間指定あり) ゴミ処理対応:○(1袋・100円) Wi-Fi:○ コインランドリー:○ キャンピングトレーラー:○
利用基本料金(※時期により異なる)
くるま旅パーク(クルマ1台):3500円(一般)/3000円(くるま旅プレミアムクラブ会員) 
チェックイン:特になし/チェックアウト:特になし

TEXT&PHOTO:伴 隆之

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