キャンピングカーの基礎知識

キャンピングカーのベース車となるカムロードを知ろう

キャンピングカー(国産キャブコン)のベース車はどんなクルマ?

みなさんが思い描くキャンピングカー…日本製キャブコンのベース車はトヨタのダイナ(日野デュトロのOEM)がほとんど。そう、街中でよく見かけるあのトラックだ。とはいえ、貨物トラックそのままではない。キャンピングカー用途向けに、各部が変更されているのだ。

キャンピングカーの製造販売メーカーの社団法人が命名した「カムロード」

日本RV協会がトヨタに別注をかけたそのベース車の名前は「カムロード」。
Camper(キャンパー)+Roadability(走行性能)の造語「キャンピングカーに適した走行性能を有するクルマ」という思いが込められている。

1997年に初めて登場したこのキャンピングカーのベース車は、2021年秋に登場する新型で4代目。

キャンピングカーのベース車専用サスペンションの装着に加え、乗り心地と走行安定性の向 上を目的としたリアワイドトレッドも標準装備。 また、エンジンはガソリン、ディーゼルともに最新の排出ガス規制に適合するものが 搭載されている。キャンピングカーのベース車は、ダイナにあらずカムロード、なのだ。

キャンピングカーのベース車となる新型カムロードは安全装置付きだが…

今回登場する新型では、全グレードでリヤタイヤがダブルとなったほか、ディーゼルエンジンは平成28年の排出ガス規制をクリアするため、尿素システムを搭載した。

ミッションは電子制御の6速AT。マニュアル感覚で操作できるシーケンシャルシフトも備わる。

安全運転を支援する装置も備わる。衝突の回避や被害低減サポートブレーキや、車線逸脱警告などの装備義務化も備わる。ほかにも、ヘッドライトがLEDになったり、快適性も向上している。

といっても、これらはキャンピングカー仕様だけの特徴ではなく、現行ダイナカーゴに準拠したもので、カムロードにも、やっとそれらが装備されたというわけだ。

今回の改良によって、むしろ今までキャンピングカー仕様向けだった130Aオルターネーターや、専用サスペンションがオプションになってしまっているだけでなく、ディーゼルエンジン搭載車は、燃料タンクが60リットルに減少(アドブルーのタンク13リットルを配置するため)、運転するにあたって準中型免許が必要になってしまった(現在の普通免許では運転できない)。

これは、キャンピングカーという特種用途のクルマが、一般に認知を受けることで、独自の進化ではなく、標準仕様と同等に扱われるようになったと喜ぶべきなのか……。

トヨタカムロード 主要諸元

トヨタカムロード
ディーゼルエンジン2WD
排気量:2.754ℓ
最高出力:106kw(144ps)/3400rpm
最大トルク:300Nm(30.6kgm)/1200から3200rpm
シフト:6AT

●ディーゼル4WDワイドトレッドダブルタイヤ/ガソリン ダブルタイヤ ナロートレッドもあり