ナッツRVがフィアットデュカトL3H2をベースに作り上げたモデルが「ゼニア」。3タイプのレイアウトがラインナップされているなか、唯一のマルチルームレスのレイアウトを採用したのが「ゼニアTL」。それによりほかの2タイプにはない車内とは思えない開放感を手に入れたモデルだ。
圧倒的な開放感を得たマルチルームレス&ツインベッド
2023年にナッツRVからデビューしたフォルトナは、全長が約5.4mのデュカトL2H2がベース。それに対し、今回デビューしたゼニアは、同じデュカトでも全長が約6mのL3H2を採用。フォルトナもゼニアもそれぞれに異なるレイアウトがラインナップされているので、これでナッツRVが手掛けるデュカトモデルのバンコンは全5車種に拡充され、より幅広いニーズにこたえられる体制が整った。
このゼニアで採用されたデュカトのL3H2、これをベースとすることのアドバンテージは広大な室内空間。フロア長はフロントシート台座まで3765㎜で幅は1850㎜、リヤベッド部分の車内幅は1940㎜、室内高1900㎜となっている。その恩恵を生かして、ゆとりの居住スペースを作り上げたのが、このゼニアシリーズ共通の魅力となっている。なかでも今回紹介するTLタイプは、マルチルームをあえてなくしており、その分だけ圧倒的な開放感を実現しているのが独自のこだわり。
TLは「ツインベッド・ロングソファ」
ゼニアTLのモデル名にあるTLは「ツインベッド・ロングソファ」を意味しており、コンセプトは優雅な2人旅。特徴的なのは、後部にボーダーバンクスで一番人気のツインベッドを採用したこと。
中央に配した4段のステップがあり、左右に分かれた1940×800㎜のツインベッドは、ホテルのようなラグジュアリー感と個々にゆったりと就寝できるプライベート感を両立。中央のステップ部分にマットを敷き詰めれば1940×1940㎜のワイドキングサイズベッドとしても使用でき、ユーザーの幅広いライフスタイルに対応している。
もう1つの特徴が、広大な室内空間でありながら、あえてマルチルームレスとしたこと。中央には1800×700㎜のロングソファを配し、通路にセットしたテーブルとの組み合わせでゆったりとくつろげる、明るく開放的なダイネットを実現。マルチルームがないため、ソファ正面のキッチンから後部のツインベッドまで視界を遮る要素はなく、車内全体を広々と見渡すことができ、クルマの中とは思えないほど開放的な室内空間を生み出している。
ダイネット、スライドドア、リヤサイド、バックドアに断熱性に優れたアクリルウインドウを採用したほか、洗練されたキッチン、FFヒーター、電動スライドステップなど、快適装備の充実度もパーフェクト。フォルトナは200Ahリチウムが標準でルームエアコンがオプションなのに対し、ゼニアは400Ahリチウムとルームエアコンが標準装備となり、より優雅で快適なクルマ旅を楽しめるモデルへと進化した。