セカンドハウスは2024年春に「DP N1 プレミアム」と「DP W1 プレミアム」をリリースした。駐車場や道幅の事情から大型キャンピングカーが負担となりがちな都市部の需要を見越し、N1はハイエースのなかで最も小型なロング標準ボディ標準ルーフで製作。キャンピングカーというより「クルマの中に作った部屋」をコンセプトとして製作された1台を紹介していく。
都市部のユーザーにも嬉しい標準ボディベース
宿泊施設の費用高騰化なども受けて車中泊ニーズが高止まり傾向にある一方で、都市部ユーザーにとっては大型のキャンピングカーは道幅・駐車場の問題もあり利用しづらい状況にある。その需要を受け、DP N1プレミアムはハイエースで最も小型なロングボディ・標準ボディ・標準ルーフをベースに製作された。このボディは4695×1695×1980mmと乗用車では5ナンバーサイズにあたり、最小回転半径も5.0mとヴォクシーやプリウスと同等。アイポイントが高く、ボンネットがない車体特性もあり、都市部でもかなり取り回しやすい。
気分は「動く部屋」。リラックスできるラグジュアリー空間を実現
DP N1 プレミアムの室内は、LED間接照明をうまく使った落ち着いた空間が印象的。ダークプライムIIの純正装備である黒いルーフの内張りやスポットライトも調和している。撮影車の家具は白とウッドを組み合わせて上質な雰囲気で、ハイエース標準ボディによる狭さを感じさせない。
レイアウトはテーブルを囲むタイプのコの字のソファスペースを大きく取り、この部分で大人5人が乗車可能。運転席と助手席を合わせて7人乗りの設定だ。
最後部のマットは3段階のリクライニング機構がついていて、写真のようにフラットにも、立てて背もたれにも使える。セカンドハウスの他モデルでオプション設定としている装備だが、人気のためDP N1 プレミアムでは標準装備となった。少ない人数で利用する場合はリクライニングマットに背を預け、ソファに足をのばしてくつろぐというリラックスした体勢も取れるようになる。
また、最後部のマット下は収納スペースとなっており、マットを立ち上げることで荷室をさらに拡大する効果もある。
車両前方部にはキッチンや収納などを集約した。キッチンには丸型ボウルのおしゃれなシンクに、オプションで上開き式の冷凍冷蔵庫を装備。ベース車のS-GLは両側スライドドアの5ドア車のため、キッチン裏のドアを開けてシンクの給水・排水タンクを交換したり、冷蔵庫の中のものを車両右側から取り出したりできる。
また、収納のフタ裏に鏡が取り付けてあり、身だしなみを整えるのに使える。「クルマの中に作った部屋」感を高めるのに効果的な装備だ。
DP N1 プレミアムは、車両登録は8ナンバーとなり、乗車定員は7人、就寝人数は大人2人+子供1人に設定されている。価格は498万3000円から。ハイエースの標準ボディ標準ルーフという小回りのきくボディを活かして、普段は多人数で乗車できるミニバンとして使い、週末は車中泊といった使い方が適している。
兄弟車であるDP W1 プレミアムはレイアウトや仕様は同じで、N1より少し大きいハイエースロングワイドボディミドルルーフがベースとなる。
TEXT:オートキャンパーWEB編集部
PHOTO:是本 信高