4月1日から、改正された内容で車両検査が行われる特集用途自動車におけるキャンピング車。キャンピングトレーラーを除く、8ナンバーのキャンピングカーの規制緩和だ。キャンピングカーが作りやすくなったわけだが、この改正に至るまでには、長い道のりがあった。
目次
キャンピングカーが作りにくい今を変えるために
まずは、3月31日までのキャンピング車登録構造要件(平成13年10月からだったが、キャンピングカーは大幅な車体変更が伴うため猶予が平成15年3月31日まであった)が適用された背景から記さなければならないだろう。それ以前の特種用途自動車は、乗用車に比べ税金や保険料が安く、構造要件も抽象的だったため、検査さえ通過してしまえば装備を取り外して使用することも可能だった。案の定、不正が多発して中古車販売業者が逮捕される事件まで発展。参考までに特種用途自動車の登録台数は平成3年3月末で79万台だったが、平成12年3月末は139万台と、異常に増加していることでもそれはわかる。

平成13年の改正は、はっきり言ってこれを規制するためのものだ。キャンピングカー登録に必要な特殊装備(キッチンなど)をボルトや溶接、リベットで容易に取り外せないように固定すること、キャンピングカーが居住する機能を有するクルマである以上、水道や炊事設備は、利用しやすい=立って使用できるように必要な車室内の高さ(1600㎜以上)となったわけだ。

そこから約20年。今や、キャンピングカーのベースとなる大きい箱型車のラインナップは減少し、かわりにダウンサイジングでマルチユースのミニバンが全盛の時代に。ところが、このサイズでキャンピングカーを作ろうとすると、従前の規程だと車内の高さや広さが足りないのである。

今回の改正で変わったことは?
そこで、いろいろなキャンピングカーをもっと多く人が気軽に楽しめるようにと、日本RV協会(製造技術部長 浅野秀弘さんが中心となって)が長年、資料の提出から要望書の作成まで国交省と交渉し続けた結果が、今回の改正につながったというわけだ。その改正内容を見てみよう。

①就寝定員の人数
今回の改正点は大きく2つある。1つは就寝定員だ。これまでは、乗車定員の1/3(端数切り上げ、乗車定員3人以下の自動車にあっては2人以上))だったが、今後は乗車定員の1/3(端数切り捨て、乗車定員3人以下の自動車にあっては1人以上))になった。
つまり、乗車定員4人の軽自動車や5人乗り乗用車は、1人分の就寝スペースを確保すれば、キャンピングカーの構造要件をクリアできる。なお、ベッドサイズの寸法は1800×500㎜と不変だ。


②水道設備、炊事設備を利用するための高さ
こでまでは洗面、調理台と利用者の立つ場所を合わせて面積0.5㎡、それを利用するための車室内高1600㎜以上を設ける必要があった。これは日本人の成人男女の平均身長から設定された数値だが、今回の改正で1200㎜以上(調理台の高さ850㎜以下)に改められた。座ってキッチンを使う場合を想定したこの改正により、車内高を確保できなかった車両でも、キャンピングカーとして登録できる可能性が広がっている。

キャンピングカーがもっと身近に!安価に!
従来の登録要件では規定を満たすことができなかった乗用&貨物車でも、今後は8ナンバーを掲げてキャンピング登録車として使用できる。キャンピングカーの製造を簡易化することができれば、その分コストも抑えられる。車両価格が安くなれば、今よりもっと気軽にキャンピングカーを楽しむことができる。キャンピングカーのさらなる普及に向け、大きく前に一歩進んだのが、今回の改正なのだ。

終わりに……
登録要項改正前の、登録済み(ナンバーがついている)キャンピングカーを所有している場合は問題ないが、ナンバーを返納して再登録もしくは、中古車を買う場合にも、今回の新しい規定が適用される。調理台の高さや車室寸法の解釈が異なるので、ワンボックス車をベースとしたキャンピングカーのごく一部に内装の修正が生じる可能性も。このあたりはユーザーも注意が必要だ。
参考:国土交通省
取材協力:日本RV協会
