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キャンピングカー作りの技術が生きる。北海道初の災害救援車が登場!

ナカジマ薬局が考える、災害発生時にも「患者様中心主義」

 1977年開業したナカジマ薬局は「患者様中心主義」をかかげ、”ドライブスルー方式”の採用や、患者に寄り添う”かかりつけ薬剤師”を設けるリーディングカンパニーだ。当然ながら昨今頻発する自然災害対策にも積極的に取り組んでいて、道内15拠点には、医薬品を備蓄するだけでなく、蓄電池を配置。停電時でも薬剤の処方が行なえるよう対策済み。

ナカジマ薬局本社で、お披露目された災害救急車

北海道札幌市内にある中島薬局本社。

災害救援車、そのディテールはどうなっている?

 そんな同社が今回配備したのが、この災害救援車だ。動く薬局として活動できるのはもちろんのこと、災害救援と銘打っているからには、電源の供給を目的とした発電装備が備わっている。道内のキャンピングカーディーラーであるキャンピングレンタサービス工業協力のもと、製作はトイファクトリーが担当、そのディテールは抜かりなしだ。

ナカジマ薬局の災害救援車のナンバーの1193は、い・い・く・スリーと読み、「いい薬」の意
室内は、薬局の調剤室同等の装備が備わる。調剤の場所は薬事師法第二十二条で定められていて、原則として薬局以外で調剤することは不可だが、災害その他特殊な事情がある場合などはこの限りではない。ナカジマ薬局の災害救援車は、その際の使用を想定して各部が設計されている。棚は全てスチール製、天板は樹脂加工が施されている。使用する材料は違うものの、キャンピングカー作りの技術が各部に生かされているのだ
事務作業デスクと薬を個別に包装できる分包機を車体中央、スライドドア横にレイアウト。停車時に立ってここで作業できるようになっている
錠剤棚は105個あり、圧迫感が出ないよう、ボディ内側に沿って、レイアウトされている。移動時には錠剤の飛び出し防止&施錠が可能なような作りとなっている
コンパクトな分包機(調剤した薬を個別にパックする機械)も備わり、災害発生場所に出向き、迅速に調剤が可能な作りとなっている
エンジンに発電機を装着することによって、車内スペースを圧迫することなく5.5KVAの出力が可能な発電機を搭載。使用時には、手動のアイドルアップ装置2種が使用できる仕組み

災害時だけでなく、過疎地へ出向いて調剤が可能な世界へ

 北海道内の災害発生箇所へ迅速に向かえるように、機動性に優れるハイエースのスーパーハイルーフがベース。各部はナカジマ薬局監修の元、何度も修正を行っただけあって、災害時にはスムーズな薬剤処方や救援が行なえそうだ。「備えあれば憂いなし」である。調剤の場所は薬事師法第二十二条で定められていて、原則として薬局以外で調剤することは不可だが、災害その他特殊な事情がある場合などはこの限りではない。過疎地での実証実験もこの後行われるとのことだから、今後は、移動式薬局が当たり前の世の中になるかもしれない。

今回の災害救援車製作に尽力した皆さん。写真向かって左からキャンピングレンタサービス工業代表の橋爪顕次さん、ナカジマ薬局広報室長 林貴宏さん、トイファクトリー 特捜営業部長 亀尾豊さん、キャンピングレンタサービス工業専務の橋爪繁典さん

取材協力:ナカジマ薬局キャンピングレンタサービス工業

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