キャンピングカーや車中泊仕様車でどこに泊まれるのかというと、道の駅や有料道路のパーキングを連想しがち……。でもこれらの場所は、休憩のための仮眠はオッケーでも宿泊できる場所ではありません。そこで利用したいのが、RVパーク。キャンピングカーの製造メーカーやディーラーで構成される日本RV協会が設置を進める「快適で安心して車中泊できるスペース」のことで、入浴施設やトイレ、電源設備などが備わります。実際にオートキャンパー WEB編集部が全国各地のRVパークに実際に泊まってその魅力をお伝えします。なお、2024年10月18日現在、日本全国にRVパークは475カ所ほど存在しています。
兵庫県の北中部、南但馬エリアが満喫できる
兵庫県は摂津・播磨・但馬・丹波・淡路という歴史も風土も異なる五国から構成されている。南は瀬戸内海、北は日本海に面していることからも分かるとおり、縦に長い。そんな兵庫県五国のうち、最北なのが但馬エリアで豊岡市・香美町・新温泉町・養父市・朝来市から成る。今回紹介する「生野高原カッセルRVパーク」は但馬の南玄関口、兵庫県北中部にある朝来市にある。
アクセスは関東方面からなら中国道・福崎ICから播但連絡道経由、もしくは山陽道・姫路東ICから播但連絡道経由で生野北第一ICより10分程度。手軽に登山が楽しめる「段ヶ峰」をはじめ、行楽地や避暑地として自然が満喫できる標高600mの生野高原に位置する。この辺りはゴルフ場や別荘地、グランピング施設などもあり、クルマの窓を開けると緑豊かで澄んだ空気が車内へと入り気持ちを落ち着かせてくれる。
1979年創業の老舗オーベルジュに併設
パークは宿泊できるレストラン「生野高原オーベルジュ KASSEL(カッセル)」に併設。ドイツのメルヘン街道の首都とも言われる「カッセル」という街から命名されたレストランは、ヨーロッパを感じさせる佇まい。「オーベルジュ」とは、郊外のレストランでシェフがその土地の食材を使って食事を提供するという宿泊施設を備えたレストランを意味しており、食事はもちろんのこと宿泊も可能となっている。
パークの開設は2022年6月。オールベージュの前にある小さな丘にあり、区画は全6区画を用意。1区画のサイズは長さ7m×幅4m。水場が備わるほか、トイレも男女別に1つずつ装備。車外調理はコンロやIHクッカーなどの使用はいいが、焚き火や直火などは不可。入浴施設に関しては有料の貸し切り風呂となっているのでゆったりと疲れが癒やせる。さらにパーク内にWi-Fiが備わっているのも嬉しいところだ。ちなみにここは第1回RVパークアワードでインフルエンサー部門のブロンズ賞を受賞している。
パークの魅力はなんといってもカッセルでしか味わえない食事。ブランド牛のルーツとも言える但馬牛神戸肉の指定店であり神戸肉や但馬牛が味わえるのはもちろん、ほかにも四季折々の地場のこだわり抜いた⾷材を使⽤。シェフがこだわるグランド・キュイジーヌの伝統技法をベースに、和の⾷材や調理法を取り入れた創作料理「フレンチジャポネ」は素材を活かした優しい味わいと評価も高い。レストランでのランチ、ディナーはもちろんのこと、テイクアウトメニューもあるので車内で楽しむことも可能。
宿泊日の夜はレストランが満席だったこともあり、テイクアウトメニューのステーキ重とお土産用の燻製5点盛りを事前に予約。出来上がったばかりの料理を受け付けで受け取り、車内でひとり舌鼓を打ちその余韻に浸りながら寝床に入った。また翌日もレストランでのランチを予約し、朝食と兼ねてカッセル特製ハンバーグランチを堪能。パーク利用者の9割以上の人がレストランもしくはテイクアウトを利用するというのも納得の美味しさで、大満足しつつ周辺の観光地を巡ったのだった。
生野高原カッセルRVパーク
■住所:〒679-3331 兵庫県朝来市生野町栃原1784-302
■TEL:079-679-4288 https://www.kurumatabi.com/park/rvpark/1050.html
■利用基本料金
一般(クルマ1台):2500円〜
■チェックイン/チェックアウト:14:00〜17:00/〜11:00