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キャンピングカーのエアコンは変わるのか⁉️

トヨタの有志が作った「きゅうでんしゃ」の可能性

 キャンピングカーにエアコン。いきなりこんな話をするとびっくりする人もいるんじゃないだろうか。キャンピングカーに詳しくない人にしてみれば「キャンピングカーとはいえクルマなのだから、エアコンが備わっているのは当然じゃないか、と。

リビングルーム用のエアコンの話です

 運転時に快適に過ごすためのカーエアコンという冷暖房はもちろん備わっている。ここでいうエアコンとは、キャンピングカーのエンジンを停止した状態、かつリビングルームで使用するエアコンのことである。ここでいうキャンピングカーのエアコンとはキャンピングカー(のリビングルーム)のエアコン」である。今やほとんどのキャンピングカーにこれが備わりつつあるのだ(オプション設定の場合もある)! 

上部の収納庫を加工し、車載用のDC12Vクーラーを設置したキャンピングカー。車内が広ければこれでも全く問題ないのだが…

キャンピングカーの(リビングルームの)エアコンは、3つほどに分けられる。 家庭用のルームエアコン、DC12Vで動く車載用クーラー、ルーフエアコン、スポットクーラーなどがそれだ。余談だが、これらはキャンピングカーに搭載されたバッテリーや、外部から家庭用の100V電源を引き込む、発電機などから電力供給を受けるなどで動作させる仕組みだ。ただ、住居室内機と室外機、もしくは排気ホースといった小さくない部品で構成されるそれらは、限られた車内のリビングルームやベッドスペースに設置しようとなると、制約が多いのも事実。

エンジンを始動せずにカーエアコンを作動させる工夫!

車内には、ハイブリッド車のバッテリーが搭載されている

 今年、ジャパンキャンピングカーショー2022のドリーム・エーティーブースの一角に参考出品されていた「きゅうでんしゃ」は、現状のキャンピングカー(のリビングルーム)のエアコンシステムを、さらにシンプルに構成できそうな夢のある展示だった。ちなみに「きゅうでんしゃ」のネーミングは、電気を供給することもできるからだろう。有事の際、電源供給も可能だからだ。これは、エンジンを切った状態でも、カーエアコンを使用して室内を快適に保つことができるというもの。製作はトヨタの有志だ。

青色がクーラー配管。ハイブリッド車用の電動エアコンプレッサー(桃色)を車両後部にあるリチウムイオンバッテリーで動作させるという仕組みだ。電源の入出力も可能だ
エンジンが停止しているのにも関わらず、エアコンダクトからは冷風が出ている

きゅうでんしゃは、キャンピングカーの未来を変えるか!?

 カーエアコンの配管を途中で分岐させ、電気で動くエアコンコンプレッサーを装着。エンジン停止時にもカーエアコンのみを動作させることができるのがポイント。電源は、トヨタ製ハイブリッド車のバッテリーか、外部からの家庭用電力を使用するとのこと。

車体下部、ミッションの脇にレイアウトされた電動エアコンコンプレッサー。エンジン始動時には、電磁弁で配管を規制し、このコンプレッサーを経由しない方式をとる

エアコンなしでも涼しく快適に⁉️

 ハイブリッド車のバッテリー形状は決まっているし、確かに大きいが、これをうまく家具の下に配置できれば、キャンピングカーをとりまくエアコン環境はひょっとすると大きく変わるかもしれない、カーエアコンで事足りるのであれば。また、家庭用の交流100Vでも動作するよう設計されているので、バッテリーを搭載できない小型車にも、スペースの犠牲なく快適な居室環境を手に入れられるかもしれない。

参考出品車には、ハイブリッド車の純正車載バッテリーをリア荷室に搭載

 日本が今年、暑い夏を迎える前に、この「きゅうでんしゃ」ははたして動き出すだろうか? キャンピングカー好きの1人として、楽しみに続報を待ちたい!!!

取材協力:ドリーム・エーティー

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