ベッド、電気、給排水が備わり、プライバシーが保たれる「タイヤのついた家」であるキャンピングカー&トレーラー。平時はレジャーを快適に楽しむモビリティとして、災害時には移動可能なシェルターや簡易宿泊所などに幅広く活用されている。ハイエースの架装を得意とするビルダー「トイファクトリー」に、「災害対策」としてのキャンピングカー&トレーラーの有用性や可能性について、取り組みや考え方を聞いてみた。
目次
いつもの使いやすさが有事の機動力に! キャンピングカーの技術で挑む「備えない防災」
キャンピングカーのトップビルダーが展開する多目的モビリティ「MARU MOBI(以下、マルモビ)」。ハイエースをベースに、脱着式シートと独自特許の架装構造を採用した車両だ。
平時は乗合バスや移動会議室、福祉車両として稼働し、災害時にはシートを付け替えて人員・物資輸送車や救護室へと瞬時に機能を切り替えられる。
普段から使い慣れている車両だからこそ、非常時にも迷わず運用できる強みを持つ。


マルモビは被災地を救う! 迅速なアクション
その真価は、有事における圧倒的な機動力にある。2026年7月28日に発生した熊本地震に対し、8月10日より熊本トヨペットとの合同で熊本県氷川町への緊急支援を開始した。
支援拠点となった健康センターには全国からDMATや保健師らが集まる一方、発生から約3週間が経過した時点でも断水で館内のトイレが使えず、猛暑の中でエアコンも一部しか稼働していない過酷な環境にあった。そこで、家庭用エアコンや冷蔵庫を備えたマルモビ1台を現場へ配備し、支援員の仮眠や着替え、プライバシーを確保するクーリングシェルターとして開放した。
さらに、水を使わず排せつ物を特殊フィルムで圧着密閉するトイレ「クレサナX1」10基と約5万回分の消耗品を無償貸与し、館内各所に配備されたことで、これまで屋外の仮設トイレまで移動していた現場の負担を解消。「室内で使えてありがたい」「全く臭わない」といった支援従事者の声が寄稿されるなど、クレサナの配備は過酷な現場に大きな安堵をもたらした。
レジャーで培った高い居住性と衛生技術が過酷な現場を救う。トイファクトリーのキャンピングカー作りの思想は、災害時の命と暮らしを守る確かな力となっている。


トイファクトリーが描く「キャンピングカー×防災」の未来
体験型防災イベントで提案! ファミリーで考える新世代の防災
多くのファミリーでにぎわう南町田グランベリーパークで開催されたイベント「みんなで学ぼう!まちの防災2026」に出展。ブースでは正規ディーラーを務める次世代BEVバンのKia PV 5を展示した。車両から電力を取り出すV2L機能を活用し、その電力で水不要のフィルム式トイレ「クレサナ」を稼働させる実演をした。公園と商業施設が融合した親子連れが集うスポットで、停電や断水時に役立つ「電気とトイレの確保」を楽しく学べる展示として関心を集めた。

マルモビにも息づく、高断熱クオリティ
バンコン作りに宿る最大の強みが、徹底した断熱施工へのこだわりだ。ボディ天井、壁面・床面に高レベルの軽量断熱材を隙間なく敷き詰め、アクリル2重窓を採用。外気温を遮り冷暖房効率を高めるこの工法は、マルモビにも施されていて、優れた防音効果を発揮する。高い断熱性は猛暑時の熱中症を防ぐシェルターとなり、防音性は騒がしい避難場所で静かに休息できるプライベート空間を生む。旅の快適性を追求した技術が、災害現場の命と心の平穏を守っている。

広がる地域間連携とキャンピングカーの新たな使命
マルモビを導入した自治体同士が災害時に車両を相互貸与し合える「マルモビパートナーシップ協定」も推進中だ。一企業による支援にとどまらず、全国規模の広域防災ネットワーク構築まで見据えている。レジャーで快適なクルマ旅を提供する技術は、今や命と生活を守る強力な社会インフラへと進化を遂げた。遊べるクルマから、人を救うモビリティへ。キャンピングカーの持つ無限の可能性を力強く証明している。

◯写真提供:トイファクトリー
◯問い合わせ
トイファクトリー
電話:0574-63-0667
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