
TOKYO OUTDOOR SHOW2023で発表されたスノーピークのランドネスト。2018年のエントリーパックTT以来のエントリーモデルという位置づけだ。とはいえ独特のポール構造や扱いやすさの追求などこだわりが随所にみられ、エントリーモデルとはいうものの、完成度はエントリーモデルというにはもったいない。今回はそのランドネストから発表されたテント、ランドネストドームに注目したい。
ランドネストに込められた思い
今回発表されたモデルの名前はずばりランドネスト。直訳すると「大地の巣」になる。このランドネストのなかで、まるで鳥の巣の中で親子が仲良く過ごすように、キャンプの時間が流れればという思いがこもっている。

それを体現するように、このランドネストの開発にあたって大切にされたことがある。初心者に起こりがちなつまづきをなるべく無くし、扱いやすく、そして快適に過ごせること。これが実現された今回のモデル、初心者にはもちろんだが、オプションによる拡張性もあり、自分のスタイルが確立したベテランキャンパーだって満足できるモデルになっていると感じた。
赤が見つからない珍しいモデル
ランドネストはフィールドアッシュという、ランドネストのために選ばれた自然になじむ色が使用されている。そしてスノーピークのモデルにはおなじみといってもいい赤がどこにもない。その分落ち着いた印象で飽きもこない。長く使おうと思える見た目なのだ。
もちろん、今回のランドネストに赤がないだけで、スノーピークから出ているロングデイジー(ハンギングチェーン)などの赤と合わせて使っても、しっくりくるようになっている。
ランドネストドーム
そんなランドネストから発表されたテントがランドネストドームだ。ランドネストドームS、ランドネストドームMの2サイズが展開される。Sは大人2人、Mは大人2人+子供2人の使用を想定した大きさだ。そのほかランドネストからはタープも発売される。
このランドネストドーム、エントリー層がつまづくところをなくしたというだけあり、誰が使ってもスムーズに使える工夫がされている。
まず注目したいのは側面の中央付近に見える逆Y字型のような特徴的なフレームだ。この逆Y字は1つのフレームではなく、左右のVの字のような部分とI字のフレームの3つのパーツから構成されているもの。このV字部分があることで、ペグダウンしなくても自立させることができる。さらにアウトフレームを採用してシンプルな作りになっているのも設営しやすいポイント。
そのほか、フレームとアウターテントの接続も、アメニティドームなどで採用されているピンをフレームの先に押し込む構造から、アウターテントのベロの穴にフレームを差し込む形に変更されている。アメニティドームで採用の方式だと、設営中やテントの位置を調整するような場面で、ピンがフレームから抜けてしまうことがあった。今回の方式は少し力は必要だが、一度固定されれば外れてしまう心配はない。


また、側面に大きなメッシュ、出入り口にベンチレーション、さらに前室からインナーテントへの入り口付近は160cmほどの高さが確保されており、居住性もよい。


オプションも気になるところ。ランドネストドームMのオプションには注目のオプションのソロインナーテントがある。このオプションを使えば、通常のインナーテントを一回り小さいインナーテントに変えることがでる。すると、ランドネストドームの中の残りの空間を広いリビングとして使うことができるのだ。タープよりは天井が低くはなるが、ソロキャンプであればこのランドネストドームMだけで快適に過ごせるのだ。普段はファミリーでも使いつつ、たまのソロでも活躍する、といった使い方も見えてくる。もちろん、それぞれのテントにピッタリサイズのテントマットもオプションで発売される。


こちらのランドネストドーム2023年5月頃から順次発売される予定とのこと。初心者だけではなく、自然の中で過ごす時間やその経験を大切にしたいという人にはピッタリのモデル。ぜひ経験を積んだキャンパーにも、一度は見てほしいテントだ。
■スノーピーク「ランドネスト」:https://www.snowpeak.co.jp/products/new2023/