キャンピングカーで楽しむ

ハイエース×スキー×車中泊 「えりたろう39」さんのハイエースを見せてもらう!

キャンピングカーやキャンピングトレーラー、簡易車中泊車……これらの車の楽しみ方をオーナーから学ぶシリーズ。7回目はスキー&ハイエース系YouTubeクリエイター「えりたろう39」さんのスタイルをご紹介します。

家族で日本一周するため“どノーマルハイエース”をカスタム

「えりたろう39」さんは愛知県在住のYouTubeクリエーター。夫のたろうさんと妻のえりさんで運営しています。夫婦とも上級スキーヤーで主にスキーの技術などに関する動画を発信していますが、一方で自家用でカスタムしたハイエースの動画も発信しています。

「もともとは軽自動車1台だけ持っていました。2人目の子供が生まれたとき、私自身が1年間の育児休暇を会社から取得したんです。で、せっかくだから今しかできないことをやろうと思い、ハイエースを買って車中泊をしながら、当時3歳と0歳の2人の子供と一緒に家族で日本一周をすることにしました。2022年の5月から11月にかけてでしたね」とたろうさん。

えりたろう39さん一家が日本一周しているときの写真
えりたろう39さん一家が日本一周しているときの写真 撮影提供:えりたろう39さん
えりたろう39さんのハイエースのステッカー
一家のイラストが掲載されたステッカーがドアに貼ってあります

どういう経緯でハイエースを買い、カスタムすることにしたのでしょうか?

「スキーつながりでハイエースに乗っている人が結構多くて、しかもカスタムして車中泊している人も多かったんです。それで、ハイエースがいいんじゃないかと思ったんですね。その中でかなりカスタムハイエースに詳しい友人がいて、その人にアドバイスをもらい、“どノーマル”なハイエースを新車で買いました。購入先は地元の自動車専門店で、その店主もスキーでつながりのある人なんですが、まあ普通の“街のクルマ屋さん”ですよ。

そして、先ほどの友人のアドバイスに従って必要なパーツを全部ネットでそろえていき、そのとおり取り付けていきました」。

そんなえりたろう39一家のハイエースは、6型/ロングワイドボディ/ハイルーフ/4WD/DXグレード/寒冷地仕様。4WDで最も大きいバンのタイプではありますが、まさに“どノーマル”。購入金額は約350万円でした。

家族で日本一周をしたときの仕様は下の動画で詳しく紹介されていますので、ぜひご覧ください。で、実は現在はそのときとは仕様が一部変わっていて、こちらも非常に興味深いのです。次の項目にて!

アウトドアスポーツ×ハイエース車中泊の好例

取材当日は都合により妻のえりさんは不在。が、非常に興味深い話を聞けました。「ウィンターシーズン中、毎週土日は遠方のスキー場へ行く生活をしていて、今の愛車はまさにスポーツ×車中泊のための仕様です。何せスキーは移動時間が長く、大会ともなるとさらに遠方への移動になるので、車内で仮眠をとりつつ用品をたくさん積んで移動できるこのスタイルが非常に強いんですよ。」とたろうさん。

えりたろう39さんのハイエースのベッドキット
“ロングワイドハイルーフ”の強みを活かし、ベッドキットは常設タイプを使用。下段は広い収納スペースとなります。「取り付けは簡単でした。メーカー名は……忘れました(笑)。床板も貼っていますが、これはあらかじめこの車に合うようにカットされた既製品で、その上にさらにフローリングマットも敷いています。全部自分で簡単に取り付けできました。」とたろうさん
えりたろう39さんのハイエースのベッドマット
ベッドはクイーンサイズ。ベッドキットのマットの上へ、2枚の敷布団をつなぎ合わせたものを載せ、その上にクイーンサイズのベッドカバー(ニトリ製)をかけて実現しています
えりたろう39さんのハイエースのスキー用品の積み方
スキー板とシューズは、友人から譲り受けたルーフボックスに入れてベッド下側に収納。「これらの用品は結構濡れてしまうんですが、これに入れると車内を濡らしたり汚すことがないんです。毛布などを敷く人もいますが、このスタイルの方が確実で、便利ですよ」とたろうさん
えりたろう39さんのハイエースの後列シート
後列シートはスーパーGLグレードの純正品に交換しているのが興味深いポイントです。こちらにチャイルドシートを装着。「DXグレードの初期装備のものはもうぺらっぺらで、乗り心地が悪いですから。こちらに交換するだけでも結構違ってきます」とたろうさん
えりたろう39さんのハイエースのシート
運転席と助手席はレカロのシートへ交換。「ここが一番のこだわりかもしれません。運転が長時間になることが多いので。これで乗り心地が相当に良くなります」とたろうさん
えりたろう39さんのハイエースの収納棚
収納棚も既製品を自分で取り付けています。電子レンジなどを収納。なお、ポータブル電源は2000Whのものを使用しており、これでポータブル冷蔵庫も電子レンジも同時に稼働できるとのこと。充電は走行中のシガーソケット充電とルーフに取り付けたソーラーパネルで行っています
えりたろう39さんのハイエースのテーブル
後部座席前にはPCなどが置ける木製の台を設置。趣味でこうしたアイテムを作っている方がおり、その方からSNSを通じて購入しました
えりたろう39さんのハイエースのアイズブロッカー
リヤハッチには「アイズブロッカー」を装備。「これは結構お気に入りです。ウィンタースポーツの場合、雪が降っているときにリヤハッチを開けていると横から入ってくるんですよ。これを使うとそれをかなり防げます。風除け・雪除けにもなって荷さばきも楽になります」とたろうさん
えりたろう39さんのハイエースのマルチシェード
窓にはマルチシェードを装着。「アマゾンで売ってる安いものです。が、これで十分。性能不足は感じません。吸盤式でたまに落ちてきますけど、また付け直せばOKですよ」とたろうさん
えりたろう39さんのハイエースの自作シーリング
天井にはフローリングマットを両面テープで貼ってあります。LEDライトはその中に埋め込んで装着。「ちょっと貼るのを失敗しましたが、まあご愛嬌で。上手ではなくてもこういうのが貼ってあるだけで車内の雰囲気が大きく変わります。車中泊するとき、殺風景な状態よりも心のやすらぎが全然違ってきますよ」とたろうさん
えりたろう39さんのハイエースの全自動コーヒーマシン
デロンギの全自動コーヒーマシンを常備。「これも割とこだわりポイントかも。今ってコンビニでコーヒーを買うにも結構高いじゃないですか。これがあればリーズナブルにおいしいコーヒーをいつでも飲めます」とたろうさん

「実は私、釣りも大好きで、サマーシーズンは釣りにもこのハイエースで行くんですよ。

釣りのときも、現地に夜に到着したら車内で仮眠して、早朝から釣り始めるといったことができるので強いですね。また、2〜3日ずっと釣りをすることも多いので、そのときは現場近くでなかなか宿が見つからないことが多いですから、ハイエースで車中泊が非常に便利です。

ハイエースオーナーさんの中には、何でも自分でDIYして作る方もいらっしゃいますが、私は自分で考えて何かを自作するのが得意ではなくて。だから、既製品を使いまくって取り付け作業は自分で、というのが自分のスタイルです。シートを貼ったりするのだけはチャレンジしてますけどね」。

大きな車体を活かし、スポーツと車中泊を融合させたスタイルを実現しているえりたろう39さん。ぜひ参考にしたいところです。

えりたろう39さんのYouTubeチャンネル

TEXT & PHOTO:大宅宏幸