ワークヴォックスが手掛けたハイエースベースのバンコン「トラベローグ」は、「過ごす」「寝る」というキャンピングカーとしての機能に加え、「乗る」「積む」にも特化した1台だった。
乗車と積載性に特化した仕上げ 独自の折りたたみベンチは秀逸
乗車と積載能力を重視したコンセプトで架装。それにはどんな作りが最適なのか。その答えの1つが後部左サイドに備えられたベンチシート。よくあるボックス状の台座に座面と背もたれの設定ではなく、簡単な動きでたためる作りで、脚の出し入れ不要のツーアクションでシートが展開できる。
さらにこだわったのがキッチンで、多くの収納を設けたキャビネット兼用タイプ。タイヤハウスを避けつつ、ほかの空間はすべて収納庫とする設計。プッシュ開閉式の扉と引き戸をうまく使っているが、なかでも特徴的なのがシンク横のスペースで、上開きのフタを開けると裏側にはミラーが備わる。手前に引き出すと、ベンチに座って使うのに最適な位置の化粧台となる。
乗車は新機構を備えたエアレボをセカンドシートに採用。後席とL字ダイネットとなるほか、フラット感の高いベッドにもなる。家具やシート生地色、フロアの色は、明るい色合いの「エレノア」と全体に濃い配色で構成された「セレーノ」がある。