キャンピングカーで楽しむ

キャンピングカーで「日本列島RVパークの旅」21 都湯の花RVパーク(京都府)

伴 隆之
伴 隆之

キャンピングカーや車中泊仕様車でどこに泊まれるのかというと、道の駅や有料道路のパーキングを連想しがち……。でもこれらの場所は、休憩のための仮眠はオッケーでも宿泊できる場所ではありません。そこで利用したいのが、RVパーク。キャンピングカーの製造メーカーやディーラーで構成される日本RV協会が設置を進める「快適で安心して車中泊できるスペース」のことで、入浴施設やトイレ、電源設備などが備わります。実際にオートキャンパー WEB編集部が全国各地のRVパークに実際に泊まってその魅力をお伝えします。なお、2025年4月9日現在、日本全国にRVパークは512カ所ほど存在しています。

「京の台所」として知られる亀岡

日本を代表する有名観光地のひとつ、京都。多くの歴史ある神社仏閣をはじめ、皇室の宮殿や御所、古い木造家屋の町並みなど見所が多く、祇園の芸者や京懐石といったグルメなど、古き日本が体験できるとあって訪れる人も数多い。
今回紹介するパークは同じ京都でも「京都の奥座敷」とも呼ばれる、亀岡市に位置する。亀岡市は京都の中西部にあり、京都駅から亀岡駅までは西に22kmほどの距離。亀岡は亀岡盆地と丹波高地などの山々があり、盆地の中央には大堰川や保津川が通っている。またここは「京の台所」とも呼ばれており、京野菜の産地としても知られており、聖護院かぶや聖護院だいこん、加茂なすに丹波くりなど名産品の産地指定を受けている、自然豊かなエリアだ。

亀岡3大観光のひとつ、「湯の花温泉」にあるパーク

亀岡の3大観光といえば、「保津川下り」「トロッコ列車」「湯の花温泉」。そのひとつ、湯の花温泉にパークはある。京都市街からクルマで約40分、大阪市街からで約1時間というアクセスの良さで、亀岡中心部からも約7km。静かな山あいにある温泉街は亀岡と姫路を結ぶ国道372号沿いにあるため、迷うこともない。

RVパークは「TEA HOUSE U×U(ティーハウス・ユーバイユー)」に併設。この建物も酒巻さん家族の手作り

湯の花温泉は、戦国時代に負傷した武将たちが刀傷を癒したとの伝説を残す古い温泉郷。村人を怖がらせていた鬼たちに、勇気を出してこの地に産土する「桜石」を投げ、退治された鬼の涙があふれ出たのが温泉の最初という言い伝承もある。RVパークは2024年2月にオープン。オーナーである酒巻美穂さんは併設されるカフェ「TEA HOUSE U×U」をはじめ、非営利でトイプードルのブリーダー「ピュアドッグ」も運営している。ペットとの旅が楽しめ、温泉もある場所として選んだのがこの湯の花温泉だったそう。家族で約2年半かけて建てた手作りのカフェとパークは、酒巻さんがキャンピングカーオーナーであることもありユーザーの気持ちを汲んだ作りが特徴だ。

サイトのサイズは長さ6.5×幅5mで軽キャンパーからフルコンクラスまで対応し、バスコンやフルコン、キャンピングトレーラーは要相談。区画数は4台だったが道路を挟んだ反対側に臨時用の区画も備わっている。カフェとパークの間にはドッグランが備わっているので、ペット連れのユーザーにはうれしい限り
カフェでは高級ブランド「ムレスナティー」をはじめとした、60種類の紅茶がそろうほか、ドリアやカレー、卵サンドといった食事委も楽しめる。さらに湯の花温泉の源泉かけ流しの足湯テラスもあるので、ゆったりとくつろぐこともできる

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「TEA HOUSE U×U」の店内。営業時間は11~17時で、カフェやランチが楽しめるほか、事前予約しておけば朝食や夕食の提供も可能
利用料金は1台につきシャワーなしが1泊3500円シャワー付きは4500円。カフェの奥にシャワールームがあり、洗面所なども備わる

シャワー付きで宿泊すると、建物内にあるトイレの利用も可能。シャワーなしの場合、屋外にあるトイレを利用する
ドッグランの横と建物前にテラス席もあり、ペットを見ながら自然のなかで落ち着いた時間が過ごせる
パーク内に炊事場はないものの、食器を洗ったり洗面・歯磨きなどに利用できる水場も備わり便利
オーナーの酒巻美穂さん。家族に加えトイプードルが6頭おり、キャンピングカーでの旅を楽しんでいるそうだ

京都から少し離れ、優雅な時間を過ごしたい人に最適

パークから約5.5kmの所に「道の駅ガレリアかめおか」やスーパー「マツモト大井南店」があるので、自炊派の人はここを利用したい。観光はやはり亀岡観光といったら「保津川下り」「嵯峨野トロッコ列車」は体験したい。ほかにも丹波亀山城址を中心とした城下町の散歩やアクティビティならラフティングやパラグライダー、気球や乗馬など、自然豊かなこの地だからこそのスポットも多い。
京都の中心から少しだけ離れれば観光地としての賑わいとは大きく異なる、これほどのんびりゆったりとした時間が過ごせる、まさに「奥座敷」にふさわしいのが亀岡。旅の拠点としてはもちろん、ペットとの旅にはもってこいのパークだろう。

嵯峨野トロッコ列車

トロッコ嵯峨駅からトロッコ亀岡駅まで、7.3kmを25分かけて走り抜けるトロッコ列車。一度は廃線となったが、8つのトンネルや保津川を見下ろす橋など四季折々の景色が楽しめるとあって観光鉄道として復活。トロッコ亀岡駅周辺には駐車場があるので、クルマを停めてトロッコ列車ならではの旅を楽しみたい

保津川下り

江戸時代に川大名といわれた京都の豪商・角倉了以(すみのくらりょうい)により、巨岩や巨石を開削し水路が開かれ、上流の丹波から下流の京都へと米・麦・薪炭などが運ばれた。保津川下りは明治28年ごろから観光船として運用。年間を通じて約30万の観光客が訪れる人気の観光スポット。場船場の近くには駐車場もあるのでクルマ旅でも心配なし