キャンピングカーと楽しむ

そのルーツは古代メソポタミア文明。由緒正しき(?)キャンピングカー、「キャンピングトレーラー」とは?

エメロード376で旅してみた!
オートキャンパー編集部
茂田羽生

日本で走るキャンピングカーのうちキャンピングトレーラーは約8%。かたやヨーロッパでは50%以上がキャンピングトレーラーと人気のカテゴリ。そのキャンピングトレーラー、近年、小型化されたかわいいデザインのモデルが増え、女性層やペット好きにも好評。もしかするとこれはブームの予感!? ということで、めくるめくキャンピングトレーラーの世界を紹介していく。

自力じゃ動けない。でも歴史は古いキャンピングトレーラー

キャピングカーのなかでも、キャンピングトレーラー(以下:トレーラー)は特異な存在。それは、トレーラー単独では走れないから。自動車を馬とするなら、トレーラーは馬車の荷台のような存在。そう考えると、馬車のルーツは古代メソポタミア文明。出土したリレーフや車輪などから、当時から人や農作物を運ぶことに利用されていたことが知られている。またアジアの遊牧民たちは馬車で寝泊まりもしていた。そしてヨーロッパではトレーラーを「キャラバン」と呼んでいるが、これはシルクロード交易の隊商たちのことをペルシャ語で「カールヴァーン(カルワン)」と言っていたのがルーツだ。その欧米では、日本よりも馬車文化が古くから根付いており、戦後の自動車文化の発展や大衆化に呼応するように、余暇・居住のためのトレーラーも発展していった。

ヨーロッパでは人気のカテゴリ!日本では……?

日本RV協会が発行する「年次報告書2024」によると、ヨーロッパでのキャンピングカーの保有台数636万台に対し、トレーラーは約350万台とその半数以上を占めるほどの人気。一方、日本自動車検査登録情報協会のキャンピングカー登録台数の推移によると、2024年のキャンピングカーの国内登録台数は12万3504台。そのうちトレーラーは1万77 台と約8%。この数字が示すように、日本ではまだまだ少数派のジャンルだ。
しかし、これはトレーラーに魅力がないからかといえばさにあらず。確かにフットワークの軽さだけなら自走式に軍配が上がる。しかし、先にトレーラーをキャンプ場やRVパークに置いて、ヘッド車(けん引車)を切り離してしまい、ヘッド車だけで動けると考えると、こちらのほうが断然フットワークは軽い。さらに同サイズの自走式と比べ、圧倒的に室内が広いのもアドバンテージ。ベッドをいちいち片付けて走行できる状態へと戻す必要だってない。

実際、筆者がキャンピングカーでニュージーランドを巡っていたときに出会ったトレーラーユーザーは、のんびりと自然を満喫しながら家族や自分の時間を堪能しており、せわしなく旅をしている人を見なかった。
自走式もトレーラーもどちらにもメリットはあるが、トレーラーにしかない楽しさやゆとり感は、手にしないと実感できないのかもしれない。

そんな日本でも15年以上支持されるロングセラーモデルがある

今回はオートキャンパーのスタッフがトレーラーでの旅を実践し、トレーラーの魅力を肌で感じてみた。旅の相棒は、インディアナ・RVのエメロード376。けん引免許は不要、つまり普通自動車免許で引っ張れるトレーラーだ。
このインディアナ・RVのエメロードシリーズは、インディアナ・RVがヨーロッパを代表する大手ビルダーの1つであるトリガノ社に特注して製造した日本専用モデル。2010年に登場して以来(発売当初はエメロード370)、15年を超える人気のロングセラーだ。昨年のマイナーチェンジで、リヤまわりのデザインを刷新、インテリアも生地を変更するなど、細部までブラッシュアップした。ちなみに、同シリーズは断熱材は一般的な発泡スチロールやフォームスチレンなどとも呼ばれるEPSではなく、押し出し発泡ポリスチレンフォーム、スタイロフォームなど、より断熱性が高いXPS素材を使用し、見えない部分にも注力して快適性を高めている。
車内は前後にダイネットを配置しているのが特徴。フロント側が家族向けの大空間で、リヤ側がカップル向けの対面仕様。このレイアウトにより、カップル・ファミリーなど、状況に応じた使い方に対応する。
装備の違いで4つのパッケージが展開されているが、今回の旅は最上級のVIPハイブリッドⅡでもともとの居心地のよさに、さらに快適さもアップ。トレーラーの車内で初めて過ごした本誌スタッフからは、自走式と異なる独自の“家感”を絶賛していた。

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