大野元裕埼玉県知事をはじめとする自治体関係者が、日本特種ボディー(NTB)の本社工場を訪問した。同社が開発・製造を手掛けるフェーズフリー認証キャンピングカーの視察や、防災・地域づくりに向けたモビリティの活用を巡る意見交換が実施された。
工場視察で確認された平時と有事をつなぐモノづくり

視察当日はNTBの蜂谷愼吾代表取締役の案内のもと、工場内での製造工程や実際の車両が公開された。紹介されたフェーズフリー認証キャンピングカーには、大容量リチウムバッテリーとソーラーパネルの組み合わせによる長時間のエアコン稼働や、普通免許(AT限定)で運転可能な高い操作性、着脱式ベッドの採用による積載性の向上など、日常と非常時の双方を意識した設計思想が貫かれている。



あわせて、令和8年熊本地震において同社が行った災害支援活動の事例や、これまでの災害支援活動についても報告された。キャンピングカーが関係者の移動・宿泊・打ち合わせを支える動的拠点として実効性を発揮した実績など具体的な話も紹介された。
レジャー用途を超えた行政サービス・地域課題への応用

視察後の意見交換会では、災害対応専用として車両を保有するのではなく、平時はレジャーやレンタル、地域活動に活用しつつ、有事には迅速に支援車両へと切り替えるフェーズフリー運用の具体策が討議された。
移動診療や移動投票所、福祉支援、さらには地域イベントへの出張など、キャンピングカーを行政サービスや課題解決の手段として組み込む構想についても協議が進められた。平時から継続的に運用することで車両の稼働状態とメンテナンス品質を維持し、非常時の円滑な発動につなげる官民連携の仕組みづくりが議論された。
社会インフラとしてのキャンピングカー定着へ向けた展望
同社の蜂谷代表取締役は「キャンピングカーはレジャーだけのものではない」との理念を強調し、モビリティが地域社会を支えるインフラとして定着することを目指す方針を示した。行政や大学、異業種企業との協働を強化し、日常的に親しまれながら有事にも頼れる持続可能なモビリティネットワークの構築を推し進める構えである。
レジャーヴィークルとしての魅力に加え、地域の安全と安心を担保する新たなモビリティのあり方を示す試みとして、今後の具体的な地域展開が期待される。

