キャンピングカー・ビルダー紹介

自宅もデザインする「現役」キャンピングカークリエイター。レクビィ新社長にインタビュー(後編)

製造現場からレクビィ新社長へ。箕浦新社長へインタビュー
オートキャンパー編集部五月女めい

2026年10月1日よりレクビィの新社長に就任した箕浦英二社長。じつはキャンピングカーの家具の組付けは今でも他のスタッフには負けないという「現場人」。これまでも「レクビィ プラス リビン」や「ソラン」といった数々のレクビィモデル、そしてレクビィのオリジナルの部品やギミックを生み出してきたキャンピングカークリエーターでもある。そのアイデアの源泉を探るべく、新社長へインタビューを行った。

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CADプログラマーからキャンピングカー製造現場へ

レクビィの社長を務める箕浦氏のキャリアの原点は、意外にも「CADプログラマー」。アイシン精機(現・アイシン)への派遣などを経て、CADソフトの操作指導やプログラムのバグ修正といった精密なデジタル作業に従事。転機となったのは、元来の趣味であったキャンプや釣りなどの「アウトドア」。第一次キャンプブームに身を投じる中で地元・愛知県にあったレクビィの前身(ロータス名古屋の工場)と縁を結び、キャンピングカー業界への転身を果たす。

ホビクルオーバーランダーとの1コマ
「バニング」制作現場を経験し確かな技術をもつ

入社当初に担当したのは、当時隆盛を極めた「バニング(カスタムバン)」の制作。「ダイヤキルト」と呼ばれる刺繍のラインを寸分違わず揃えて張る高度な張り替え技術など、厳しい製造現場で手技を磨き上げてきた。当時は1台の車両に対し、木工家具の制作から内張り施工、断熱処理に至るまで全工程を自らの手で完成させる時代。この現場経験こそが、現在の卓越したクラフトマンシップの礎なのだ。

自作へのこだわりと、徹底した「現場主義」

そして「現場を離れた今でも、家具組み付けのスピードと精度は社内随一」と自負するほどの筋金入りの現場主義者。そのモノづくりに対する情熱と技術力は、仕事の枠組みを遥かに超える。
その最たる例が、二世帯住宅である自宅を建て直した際のエピソード。自宅内のキッチンや無垢材の扉など、木工に関わるデザイン・設計・製造のほぼ全てを自らの手で敢行。さらに室内を彩るステンドグラスに至っては、自らデザインと色柄を決め、現地の工房へ直接足を運ぶ徹底ぶり。職人から「そんな付き合っている時間はない」と弟子入りを断られつつも、自らの理想の空間を見事に具現化。
出来上がった自宅はモデルルームさながらの圧巻のクオリティを誇り、施工を担当した工務店代表(高校の同級生)から「転職して手伝ってくれ」と本気でスカウトされたという異例の秘話を持つ。

規格化された家屋の造作に対し、変形スペースの活用や特殊なギミックが求められるキャンピングカーの家具作り。複雑極まる車内空間に向き合い続けてきたからこそできたことなのだ。

自ら手掛けた自宅リビング・キッチン
木を活かした家具が並ぶ
現場での家具の精度にも妥協がない

さらにプライベートでも自作のハイエースベースのキャンピングカーを仕立てて使い倒すなど、常に「作り手」であり「使い手」であり続ける姿勢。ちなみにこの自作キャンピングカーは「こだわりすぎた」とのこと。

「デザイン・戦略・現場」を一貫して見通す経営思想

箕浦社長の真骨頂は、職人としての卓越した手技だけに留まらない点。新型車のモックアップ制作やデザイン、積算といったハード面の設計から、ターゲット層の設定、メディアへの露出タイミング、イベントでの訴求方法といったマーケティング戦略まで、すべてを一貫してプロデュース。「ユーザーが求めるもの」「現場で必要な技術」「市場での見せ方」の3要素を高度に融合させる稀有な経営センスも持ち合わせているのだ。

京都精華大学の「社会実践育成プログラム」では、講師として学生の前に

社員を信頼し、真摯にモノづくりに向き合う「人となり」

一見すると職人気質のこだわり派でありながら、その人柄は非常に柔軟かつ謙虚。自らが前面に出るような派手なアピールよりも、「真面目に愚直なクルマ作りを続けること」を大切にする。

「社内で10年、20年と技術を培ってきた優秀な熟練スタッフこそが会社の最大の強み」と語り、今後は社長個人のアイデアに頼るのではなく、スタッフ自らが発想し挑戦できる環境づくりを目指す。


今後もこれまでのレクビィのよさを受け継ぎつつ、新たなチャレンジをしていくという箕浦新社長。アイデアマンの社長とスタッフが作り上げる今後のレクビィのクルマにもますます期待していきたい。

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