年の瀬が押し迫り、オートキャンパーwebではまだ紹介していない2023年の注目モデルを一挙公開中。ここでは甦ったティアドロップ型トレーラーの名車「タブ ティアドロップキャンパー 320S」を紹介する。
衝撃の外観で登場したスモールエッグの後継モデル
「ティアドロップって何?」と思われるかもしれないので、まず外観写真から紹介しよう。
後ろに向かってしゅっとしたフォルムが涙のように見えるからティアドロップ型だ。コンパクト、軽量といったモデルが多く、流線型なので燃費向上も見込める。なにより見た目が良いことで支持がある。
この形のキャンピングトレーラーは1930年頃から存在が確認されていたが、1960年半ばでいったん下火に。その後現代的な水準に装備を合わせたものをドイツのタバートが「スモールエッグ」という名前で2002年にリリースし、世界に衝撃を与えた。
そこからさらに時代が流れて世の中にネオクラシックが浸透した2020年代、ティアドロップ人気が飛び火していた北米で、キャンピングカービルダー「NU-camp」が販売権を引き継ぎ、この「T@B ティアドロップ キャンパー320S」が生まれた。
気になる車内を見ていこう。まずダイネットは座席がコの字に並び、テーブルを囲んでいる。このテーブルは車外に持ち出して使うこともできる。アクリル2重窓にはシェードや網戸も装備。頭上に見えている電子レンジはオプションになる。
右手側のドアはマルチルームにつながっている。マルチルームにはカセットトイレと伸縮するシャワーノズルのついたシンクがある。丸窓がアクセントになり、愛らしくもスタイリッシュな空間だ。
北米のキャンピングカーはキャンプ場などのダンプステーションで汚水を処理するのが一般的なため、汚水タンクを取り付けたマリントイレと呼ばれる形式のトイレが装備されていることが多いが、このタブ ティアドロップキャンパー 320Sはベースとなったモデルがドイツ製だったためか、カセットトイレがついている。日本ではこのタイプの方が使いやすい。
マルチルームのドアの手前、右手側にはキッチンがある。
キッチンはステンレスのシンク、ガラストップつきの2口コンロ、冷蔵庫が標準装備。曲面に美しく収まっている。
ベッドはダイネットにある台座を引き出して展開する形式。シングルベッドを2つつなげたようなイメージで、片方のベッドのみ展開するという形も作れる。
ベッドの後部、ティアドロップの先端部分は収納庫になっている。
他にもソーラーパネルや19型液晶テレビ、エアコンなど標準装備のアイテムが多く、1クラス上のモデル並みの充実装備。重さの関係でけん引免許は必要だが、車体もコンパクトで扱いやすい。
タブ ティアドロップキャンパー320Sは、本国ではブーンドック、ブラックキャニオン、クラシックの3タイプの設定があるが、今回販売代理店のボナンザによって輸入されたのはブーンドックパッケージ。オフロードタイヤやオーバーフェンダー、ステップなどがついてワイルドな見た目になっている。個性的な見た目なのでヘッド車とのコーディネートも楽しそうだ。