キャンピングカー・ビルダー紹介

2021年登場のペット特化型キャンピングカー

キャンピングカー購入のきっかけに「ペットと旅行するため」という理由を挙げるユーザーが増えてきた。そもそもキャンピングカーユーザーで、ペットを飼っている人は全体の70%にもなる。単に車内で人が就寝可能なだけでなく、いかにペットと快適に過ごせるかを徹底的に追求したモデルが今年登場した。両車のその特徴を追っていこう。

愛犬家のための専用設計!「ワン! PING ACE

ワンちゃんを飼っている年齢層から、キャンピングカーユーザーのペット率に至るまで、リサーチし尽くされた結果誕生したのがこの「ワン!PING ACE」。トヨタの部品卸やカー用品店ジェームスを展開するトヨタモビリティパーツの神奈川支社が企画製作を行なう正真正銘のメーカーメイドモデルで、神奈川県内のディーラーで購入可能だ。
標準ボディ標準ルーフのシックな外観は、キャンピングカーであることを周囲に意識させないよう配慮し、ノーマル然としたもの。普段使いから旅まで使ってほしいという願いが込められている。しかし、その内部は、頭からつま先?までワンちゃんのためを貫いた装備にあふれている。

よくよく聞いてみると、プロダクトはアウトドア好きで愛犬家のスタッフが愛犬家のためにクルマを作りたいと考えたことが発端だった。好きこそ物の上手なれではないが、ペットユーザーが使いやすいクルマづくり、これを丹念に愚直に実践しているのである。とはいえ、ディーラーで販売するモデルに粗相があってはならない。車両の製作にあたっては陸運支局に何度となく足を運び道路運送車両法に仕様を合致させるなど、かなりの苦労があったという。 こうして生まれたワン!PING ACE。愛犬家の自信作である同モデルは、神奈川県のディーラーで予約試乗が可能だ。

ワン!PING ACE(トヨタモビリティパーツ神奈川支社)
問い合わせ:神奈川県のトヨタディーラー

https://www.wanpingace.com/

価格:457万3720円~
ベース車両:ハイエースバンS-GL標準ボディ標準ルーフ
全長×全幅×全高:4695×1695×1980㎜

乗車定員/就寝人数:5人/2人+小型犬1匹
ナンバー:4ナンバー

●標準装備:専用フロア/シート&ベッドキット/フロントセンターボード/大理石調スライドテーブル/FAS
Pセカンドシート/後部キャビネットほか
●オプション:1002Whポータブルバッテリー/冷蔵庫/シャワーセット/LED照明/バックボード/レカロシートほか

人気モデルの長所を伸ばした最新型「ベルゲン with PET」

2021年、ラインナップに加わったベルゲン。
4月のジャパンキャンピングカーショーでデビューした同車は、興味深いオプションが装着されていた。それがウィズペットだ。これについて、トイファクトリー藤井代表は、「ベルゲンウィズペットは愛犬と楽しむ現役オーナー様の意見を多く取り入れ開発しました。また、既存ラインナップのいいところをミックスしたモデルでもあります。これはヨーロッパの大手キャンピングカーメーカーも行なう手法で、人気モデルを再評価し、レイアウトのいいとこどりをするわけです」と話す。
ベルゲンには「人、ペットにも快適なバーデンの大型ベッド&大容量収納。」「最大の容量を誇るGTの大型スペースタワー型収納。」「使いやすいランドティピーのセンターシンクを受け継ぐ。」という3つのポイントがあり、これらに加えて、人+ペットの共住性も考慮しているという。

藤井代表によると、人の就寝スペースとワンちゃんの就寝スペースの最大化にはじまり、リビングエリアにもワンちゃん用収納を確保、ドライビングエリアにくつろぎスペースの設定など多岐にわたる。極め付きは、専用ファブリックの設定だろう。ワンちゃんと生活をするうえで、抜け毛やおしっこなどによるファブリックのメンテナンス性を重視した人工スエード調表皮で、はっ水加工も施されるというもの。イメージカラーはブルー。藤井代表は設計段階からイヌが一番見えやすい色を調べ、「ワンちゃんの足下の認識を高める効果と体の接地感」から、この配色にたどり着いたのだという。赤色を認識する機能が存在しないワンちゃんのためのカラーコーディネイトなのだ。

ベルゲン with PET(トイファクトリー)
問い合わせ:トイファクトリー

https://toy-factory.jp

価格:625万円~
ベース車両:ハイエーススーパーロングワイドボディハイルーフキャンパー専用車
全長×全幅×全高:5380×1920×2285mm

乗車定員/就寝人数:6人/4人
ナンバー:8ナンバー

●標準装備:ガラスカバー付きシンク/12ℓ給排水タンク/上開き式40ℓ冷蔵庫/サブバッテリー/走行充電装置/トリプル断熱ほか