フィアットプロフェッショナルデュカト が日本に正規輸入が開始された。キャンピングカーメーカー5社が正規販売代理店となった。これすなわちデュカト日本上陸のきっかけはキャンピングカー市場から、ということ!ビッグニュースなのである。
ホワイトハウス、RVランド、岡モータース、トイファクトリー 、ナッツRV。これら正規販売代理店は、全社ジャパンキャンピングカーショー2023でニューモデルを発表したが、なかでもトイファクトリーはデュカトをベースとした4モデルを一挙公開。輸入モデルを扱う「ユーロトイ」ブランドで発売されたこれらキャンピングカーは、うち2台がドイツの老舗かつ最先端を走り続ける「ハイマー」のメインデザイナーだったフランク・ヴェンダーさんとの共作。独立後はじめてのプロダクトパートナーとしてトイファクトリー に参加したフランクさんは、トイファクトリーのクルマに魅せられた1人。「欧州でも通用するその出来」と称するそれらキャンピングカーに、自らのデザインを重ねてみたいと思ったのだという。こうして生まれたのが、ダヴィンチとオリジンだ。
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ダヴィンチとオリジンというデュカトの国産キャンピングカー!
フィアットデュカトを使ったダヴィンチ6.0のディテール
キャンピングカー先進国である欧州のデザイナーから一目置かれる存在になったかと思うと感慨もひとしおだが、いいデザイナーがいればいいキャンピングカーが作れるかといえば、答えは否だ。トイファクトリーの藤井代表も「日本人はここまでこだわるのかと、フランクさんに驚かれました」という細部の処理である。
ダヴィンチ6.0は、シックな色使いを採用し、照明も間接方式を採用することでヨーロッパの高級ホテルを車内に落とし込むことに成功している。天井や床、シンクなどの内装品「STENGEL」社、家具は「Vohringer」社製を採用するなど、軽量化にも腐心(従来より30%もの軽量化に成功)。断熱は0.8㎜厚のセラミック塗装に調湿ウールを採用。今までのバンコン製作で培ってきたトイファクトリーの技術が生かされている。今後、バリエーションモデルの5.4(ベッドが2段となる)も登場予定だ。なお、車名末尾の数字は、全長を意味する。5.4=5410ミリ/6.0=5995ミリ
内装の機能美など、ダヴィンチ6.0を語る上でもっとも外せないのがシートである。同車に採用されたaguti(アグチ)製シートは、欧州キャンピングカーの市場で80%シェアを誇り、自社で年400回以上もテストを行ない、安全性と快適性を両立しているという一品だ。トイフェクトリーは、このシートを採用するにあたってアグチ社と代理店契約も結んだ。
車名は、発明家・科学者・デザイナーとさまざまな顔を持った先駆者レオナルド・ダ・ヴィンチから命名。トイファクトリーの行動指針である「いつもはじまりはトイファクトリーから」を掲げる姿勢を重ねたのだ。外装は、「ウィトルウィウス的人体図」のデザインと、ヴィンチ村(レオナルド・ダ・ヴィンチ=ヴィンチ村出身のレオナルド)の等高地図がグラフィックとして採用されている。
オリジンは、一足先に5.4と6.0の2バリエーション展開に!
一方オリジンはアースカラーを用いた優しい色遣いが特徴。欧州の自動車メーカーだけでなく、飛行機や特殊車両に用いられるシュニーレ製の2、3列目のシート(オプション)が特徴的だ。これはワンタッチで取り外すことができ、人数や旅のスタイルに合わせて変更できる。欧州のミニバンやRV車では当たり前の装備だが、シートを折りたたむことに重きが置かれる日本では、なじみのない機構である。当然ながら、取り外した分だけラゲッジスペースは広がるので、利便性ならこちらのほうが上だ。ジャパンキャンピングカー ショー2023で、オリジン5.4がデビューしたのち、名古屋キャンピングカーフェア2023Springでオリジン6.0もデビュー。どちらも内装に差異はないが、就寝定員人数は5.4の場合2人(オプションのポップアップルーフ採用で+2人)。室内長が400ミリ伸びた6.0の場合、3人(オプションのポップアップルーフ採用で+2人)となる。シート表皮はベージュかブラウンかが選択可能だ。
こうした脱着式シートや、75Lの冷凍冷蔵庫などが備わる室内を、ミニマルな装備とトイファクトリーは説明するものの、それはダヴィンチと比較してのこと。マルチルームを持たない分、オリジンの室内はより広く開放的だ。大ネットも2パターンの展開が可能だし、ベッドマットを取り外して、自転車や長尺物を載せてもいいし、スライドドアを開いてキャンプサイトと直結の小上がりとするもよし。オリジンは、日本人が忘れかけていた?オートキャンプの原点を思い出させてくれるような……そんなキャンピングカーだ。