2021年、ナッツRVが開発した新たな急速充電システム、“ハイパーエボリューション”。
家庭同様に、キャンピングカーの車内での家電製品の利用を可能とした同システム。はたしてその実力とは!?
目次
どのようなシステムなのか
サブバッテリーを以前の鉛バッテリー×3個からリン酸鉄リチウムイオンバッテリー(100Ah)×4個に変更し、ハイパーエボリューションユニットとつなげたシステム。走行充電(下道走行時)で、残量30%のバッテリーの80%までの回復時間が、何と1時間56分。これは実際にモニターテストを行なった信頼のある数値だ。単純にバッテリーを増やせば電気の容量も増やせるが、電気の残量がなくなったときにどうするか?そういった面も考慮し、開発されたシステムなのだ。
また、バッテリーが安全に動作するよう、バッテリー本体のマネジメントシステムとハイパーエボリューションユニットでダブル制御しているほか、バッテリーへの負担を軽減し寿命を延ばすため、充電量を80%以下で維持する“80%充電”と、電気が必要なときのための“100%充電”の切り替えスイッチが装備されている。そのほかリチウムイオンバッテリーとしたことで、鉛バッテリーの約半分の重さ(1個約13㎏)となり、車両重量の軽量化にも貢献した。
ハイパーエボリューション搭載モデル
このハイパーエボリューションは、ナッツRVのボーダーバンクスとクレアにそれぞれ搭載されている。ともに高断熱コンポジットパネルがシェルに採用されており、車内の断熱性能を高め外気温との差をなくすことで、エアコン使用時の省エネ効果も実現している。
ボーダーバンクス タイプT ハイパーエボリューション

クレア 5.3X ハイパーエボリューション

ハイパーエボリューションが実現するキャンピングカーの可能性
では、ハイパーエボリューションを導入したことで、車内生活はどう変化するのか。例えば家族でクルマ旅に出かけた際、目的地までの移動でバッテリーが充電され、到着して車内で過ごすころにはエアコンや電子レンジなどの家電製品を、存分に利用することができる。100Ahリチウムイオンバッテリー×4個と大容量なので、翌日の朝食作りで電子レンジも使える。その後はまた移動して充電し、次の目的地でも十分に電気を使えると、まさに家庭同様の環境だ。
また、遊びのシーン以外で注目したいのが移動オフィスとしての利用。コロナ禍の影響でキャンピングカーを仕事場として使う人が増えてきているなか、ハイパーエボリューション搭載車であれば、パソコンやスマホの充電、休憩時にコーヒーを入れるなど、電気を気にせず、よりよい環境で仕事をすることができる。これも同システムだからこそ実現できることだ。
新システム"EVOLITE Li"も開発
ハイパーエボリューションのノウハウを生かして製作されたシステムがもう1つある。それが、CTEK走行充電器と超急速充電システム「EVOLUTION」のノウハウを融合させた高効率充電システム"EVOLITE Li"。サブバッテリーをハイパーエボリューション同様にリチウムイオンに変更し、大容量・長寿命・軽量化を図った。ナッツRVのクレソンが装備可能な高効率充電システムだ。
クレソン ジャーニー タイプW EVOLITE Li
