
キャンピングカーの世界で大きなトピックスとなっているリチウムイオンバッテリー。
今回いち早くリチウムイオンバッテリーに取り組み、独自のシステムも研究しているネクストエナジー・アンド・リソース社をオンライン取材。リチウムイオンバッテリーの概要や、サブバッテリーの定番である鉛バッテリーとの違いをはじめ、じっくりと紹介していきたい。
目次
リチウムイオンバッテリー長寿命の秘密
繰り返し充放電が可能な二次電池ですが、充放電を繰り返すほど少しずつ劣化し、容量が減少していきます。リチウムイオンバッテリーはこの充放電に強く、ロングライフを実現しているのも特徴です。

寿命を表すのに「サイクル数」という言葉があります。これは、容量0%の状態から容量100%に充電した後に容量0%まで放電するまでが「1サイクル」とされます。例えば鉛バッテリーは、サイクル数が300回のものから1000回のものまでいろいろな製品があります。一方リチウムイオンバッテリーのサイクル数は、これも製品により異なりますが、弊社が取り扱っているスーパーBのリチウムイオンバッテリーはサイクル数が5300回と、大きな違いがあります。
サイクル数はバッテリーによって違いあり
バッテリーの寿命について、一般的に鉛バッテリーが約2〜3年だとして、今回の取材で伺ったネクストエナジー・アンド・リソース社のスーパーBは約10〜15年といわれています。実はリチウムイオンバッテリーのサイクル数もよく見てみると製品によっていろいろあるのですが、多くの場合で鉛バッテリーよりもサイクル数が多く、さらに充放電自体にも強いため、容量が減少しにくいのです。
スーパーBは5300サイクルの使用後に、初期の容量の80%を維持する設計となっています。公称サイクル数の使用後に何%の容量が維持されるかというのも、バッテリーメーカー各社それぞれなので、購入時にはしっかりチェックしたい。
今後のキャンピングカーライフの装備のひとつとして
これらのことから、リチウムイオンバッテリーの導入は初期コストがかかるものの、キャンピングカーの車内で家庭用エアコンなどを稼働して電気をどんどん使うときには、ランニングコストをはじめ交換する際の取り付けや取り外しなどの手間も考えると、数年後には結果としてお得になるというケースは十分ありえます。
また、軽量化で車体へのダメージを少なくできますし、小型化により車内のスペース効率もよくなるなど、十分な容量を確保しつつこうしたメリットもあるということで、トータル的な観点からもコストも低減してくれるように思えます。
ただし、個々の製品により各種性能は異なるため、導入にあたっては容量、サイズや重量だけでなく、充放電電流やサイクル数といったスペックをしっかりチェックすることが大切です。
リチウムイオンバッテリー「スーパーB」シリーズ

オランダ製のリン酸鉄リチウムイオンバッテリー。バッテリー内部のセル間の電圧や電流のバランスを監視するなど、パフォーマンス向上やトラブル発生の防止などを行なう制御システム・BMSを内蔵。内部設計なども安全性を重視したものになっている。現在ヨーロッパでは、同メーカーのリチウムイオンバッテリーは自動車、船舶、航空機などにも採用されており、スーパーBの本国ウエブサイトではRV用途も積極的にアピールしている
ネクストエナジー・アンド・リソースではリチウムイオンバッテリー単体での販売は行なっていない。安全な使用のため、個別のリチウムイオンバッテリーや使用状況に応じた各種充電器や制御装置をセットとし、システム保証を付けたうえで提供している。例えば「リチウムイオンバッテリーと走行充電器のセット」や、「リチウムイオンバッテリーとソーラーシステムの車載向けセット」などを用意。詳細は下記URLを参照。
<ネクストエナジー・アンド・リソース>
https://offgrid-solar.jp/