スズキ・エブリイは2024年2月に大きく生まれ変わった。特に注目を集めたのは、商用車エブリイバンにターボエンジン「JOINターボ」が復活したことと、スムーズな加速が特徴のCVTが搭載されたこと。近年はダイハツ・アトレーが軽キャンパーのシーンをけん引していたが、この大幅な改良でふたたびエブリイに注目が集まった。
軽自動車のバンコンでは最上級レベルの充実装備とゆったりレイアウト
F-BOXダックスの製造元のパパビルドはこれまでもエブリイをベースにした軽キャンパーを制作している。
今回紹介するF-BOXダックスの特徴は、充実した装備と室内で対面式リビングが作れるレイアウトだ。
スライドドアから入ってすぐの場所が対面リビングだ。折りたたんだセカンドシートの上に後ろ向きに座れるシートがあるという作り。軽自動車という限られたスペースなので、ここにしかリビングの設置のしようがないのだが、スライドドア入ってすぐというのはとてもアクセス性が良い。天井のダウンライトやキャビネット上の間接照明をうまく使った落ち着いた雰囲気も良い。
そしてテレビモニターや車載用クーラー、これはオプションではなく標準でついてくる。このクーラーを動かすために200Wのソーラーパネルと200Ahのリチウムイオンバッテリーも標準装備。つまり車中泊目的なら追加費用なしだ。
セカンドシートは純正のものをそのまま残し、4人で移動するときはこのようにシートを起こせばOK。普段使いにもしっかり対応している。
商用車とはいえ上級グレードのJOINの室内はかなり乗用車ライク。ターボモデルなら最大4人でも普段使いやドライブは苦にならない。
ベッドにするときはテーブルを外して、対面シートの間にベッドマットを乗せるだけ。大人2人なら悠々寝られるスペースが完成する。テーブルは足をたたんでリアの左右キャビネットに橋渡しすれば残しておけるので、物の置き場に困らない。
こちらは前の写真では奥の方に見えていた、車両右側のリアキャビネット。上段部分の扉付き収納がかなり使い勝手が良い、AC100Vコンセントもある、と見どころが多いのだが、ポイントはコンセントの高さから下がかなりスリムになっているところ。上段と下段で厚みを変えることで、収納力とベッド時の足元の広さを両立させているのだ。
収納は車両左側のキャビネットにも用意されているほか、ベッドマットの下にも大きなスペースが用意されている。
普段使いから快適な車中泊まで、必要なものはしっかり載せた1台だ。4人乗りで就寝定員は2人、価格は440万円からとなる。