
2004年5月に発売を開始し、2024年には累計販売台数が2400台を突破したロングセラーのハイエースベッドキットが「グッディDU」。ハイエースのロング標準ボディからスーパーロングまで適合し、最も小さいロング標準ボディでも全長1850×最大全幅1500mmのベッドを自分で作り上げることができる。完全国内生産の現場を取材した。
目次
車中泊の大ヒットアイテムを数多く送り出してきた「アイズ」

アイズといえば、マルチシェードやウインドーバグネットといった大ヒットアイテムを数多く送り出してきた、ハイエース専用パーツも数多く用意する老舗パーツメーカー。
ベッドキットの「グッディ」シリーズは20年以上ものロングセラーモデルで、初代モデルは100系ハイエースの時代に誕生。 当初はベッドの高さ調整機構のない「グッディ」のみだったが、 200系に移るとユーザーから 高さの調整がしたいという要望が数多くあり、「グッディDU」を開発。現在ではDUのみのラインナップだ。

メーカー直販、DIYで取り付けができる仕様にすることで 価格が抑えられているのも注目。 これは同社のマルチシェードやウインドーバグネットなどのアイテムも同様だが、ベッドキットを装着するのに工場へわざわざ持ち込んで預 けたりする必要がなく、工賃も一切かからないのは大きなメリットだ。
ただその分、簡単にDIYで取り付けられるための構造設計、素材選定など、苦心しつつ時間をかけて開発しているという。


グッディDUはこうして作られる
このたび、製造工場を取材したので、作業と製品の工夫の秘密を紹介していこう。

まず、ベッドのベースとなる15mm厚の軽量合板(低ホルムアルデヒド)をカットし、ていねいにトリマーをかけて成型していく。
そこに合わせるクッション材はコシのある20mm厚のチップウレタンと手触りの良い5mm厚の柔らかいウレタンを重ねて構成。底付きもせず柔らかすぎもしないクッション性を実現しつつ、スリム化した。

マットは実際に家具製造の現場を見学し、自社での製造方法を考案。経年により縫製糸が切れたりタッカー針でケガしたりしないよう、ミシン縫製やタッカー針を使用しないオリジナル製法を編み出した。さらに荷室の使い勝手と広さを重視しつつ、ベッド厚は寝た際に底付き感を感じない、 厚み約40mmを最適解としているそう。
耐久性だけでなく軽量性にもこだわり、簡単にベッド展開や収納ができ、跳ね上げた時にも固定がしやすいように考慮された厚みなのだ。

マットを包む生地は汚れやペットの毛が付きにくく、手入れのしやすいビニールレザーが標準設定。寝心地や通気性などを重視する人向けにモケット地にも無料オプションで対応している。色はどちらも黒。

ベッドのフレーム部分も以前は溶接したパイプを使ったが、今は剛性、組み付け強度のある軽量アルミ角材を採用。産業用機械にも使われている、耐久性に信頼のある素材だ。組み立てや取り付けやすさに加え、 無段階での高さ調整ができるようになっていて、工場ではカットされた部位ごとにまとめられている。

アルミ材は自社工場のボール盤を使って、1つずつ丁寧に穴あけ加工がされていく。

ベースとクッションを記事で包み込む。全体のチェックと仕上げをし、段ボールに梱包し発送される。
アイズは全製品に対し「装飾を排し、質実剛健を追求する」というメーカーとしてのモノ作りの考え方を持っているという。
正直に言えば見た目が良いモノもこの時代数多いが、長い時間使うものだからこそしっかりとした製品にしたい。そして、価格もユーザー に優しいというのがこのグッディ DUにはしっかりと表れている。20年以上のロングセラーとなっているのがその証拠だろう。
GOODY DU ベッドキット
■価格(送料別)
標準ボディ用:15万4000円
ワイドボディ用:16万5000円
スーパーロング用:15万4000円
■適合:200系ハイエース標準ボディ標準ルーフ(S-GL、バン・リアヒーター有無)/ワイドロングバン/スーパーロングバン(リアヒーター有無)
■標準仕様:黒ビニールレザー(受注生産で黒モケット仕様あり)
■ベッドマットの6:4分割、3分割など特注仕様も可能
■問い合わせ
アイズ公式サイト