軽自動車をベースにした「軽キャンパー」は、バンコン、キャブコンと並ぶ日本のキャンピングカーの人気カテゴリー。安価で購入しやすいことから、キャンピングカーライフを夢見るビギナー層や一般ユーザー層からも人気が高い。初心者向けのイメージが強い軽キャンパーだが、実はキャンピングカーに慣れたベテラン向けの側面もあるので要注意! 自分の使い方を熟知したうえで購入しないと、乗ってから後悔する可能性も……。
そもそも軽キャンパーとは?

軽キャンパーは、軽自動車をベースに架装した日本独自のキャンピングカーだ。車両タイプは、大きく分けて3種類。軽トラックの後部に居住用シェルを一体化した「キャブコンタイプ」、バンやワゴンの内装を架装した「バンコンタイプ」、軽トラックの荷台に居住用シェルを積載した「トラキャンタイプ」がある。
金銭的負担の軽さとコンパクトボディによる機動力が軽キャンパーの2大メリット!

軽自動車がベースなので、車両価格や維持費が安い
軽キャンパーの最大の魅力は、経済性だ。なかには200万円台で購入できるモデルもあり、価格高騰が続くキャンピングカーの世界では、比較的手軽に購入できる貴重な存在といえる。車両価格のほかに、維持費が安いのも大きな魅力。軽自動車ベースのため自動車税、重量税、保険料が安価で、高速道路の料金も普通車と比べて2割ほど安い。燃費性能も優れており、タイヤなどの消耗品代、メンテナンスや車検費用などのあらゆる面で、ほかのカテゴリーのキャンピングカーよりも出費を抑えられる。

コンパクトで小回りが利き、狭い道でもラクに走れる
もうひとつの大きな魅力は、コンパクトなボディサイズがもたらす抜群の機動力だ。目的地を通り過ぎてしまった時、気になるお店を発見した時などにすぐさまUターンでき、狭い道でもスイスイ走れて、混雑した駐車場でも余裕をもって白線内に駐車できる。車中泊の旅やキャンプなどのレジャーユース以外に、通勤や買い物、子供の送迎などのデイリーユースも快適だ。
では軽キャンパーのデメリットは?
室内が狭く、大人数での使用には不向き

コンパクトボディは機動性において大きなメリットだが、半面で「居住空間が狭い」というデメリットにもなる。ちなみに、バンコンタイプの軽キャンパーの標準的なベッドサイズは、1800×1200mm前後。畳一畳の大きさが1820×910mm程度なので、畳に換算するとおおよそ1.3畳分のスペースということになる。1人で寝るには十分なサイズだが、2人旅を想定している場合は、購入前に畳1.3畳のスペースに2人で横になって、快適に就寝できるか体験してみるのがベターだ。


エンジンが660ccのためパワー不足を感じることも

660ccエンジンの軽自動車をベースにしているため、動力性能は決して高くない。ターボエンジンのバンコンなら普通車感覚でキビキビと走れるが、ノンターボの軽トラベースは多少の割り切りが必要となる。下道を中心にのんびりと走るぶんには不満を感じることはないので、「目的地までの移動時間も旅の楽しみ」と考えてゆったりドライブするのがオススメだ。
軽キャンパーは、乗り手を選ぶキャンピングカーと言える。ソロや夫婦旅でフットワークの軽さを重視する人、都市部や狭い山道を走る機会が多い人なら、軽キャンパーが最高の相棒になってくれるだろう。逆に、ファミリーユースが前提の人は、「もっと大きなキャンピングカーにすればよかった」と後悔する可能性もある。軽キャンパーの特性と自分の使い方や使用人数を理解したうえで、クルマ選びをすることが重要だ。
キャンピングカーライフ研究家/ライター 岩田一成
バンコン、キャブコン、トラキャンを乗り継ぎ、家族と1000泊以上のキャンプ・クルマ旅を実践。ユーザーとしての経験と、18年以上のキャンピングカー取材経験をもとに、AC誌をはじめとする様々な媒体でキャンピングカーの魅力を発信している。

