近年、異常気象による猛暑が続く中、キャンピングカーでの「停車中のエアコン使用」は不可欠なものとなっている。しかし従来のルームエアコン搭載車は、外部電源に頼らざるを得ず、実用性に乏しいのが大きな課題であった。この常識を覆し、日本のキャンピングカー電装システムに革命を起こし続けているのが「ナッツRV」だ。同社開発部の舛見純也氏に、開発の苦労から最新システム「ハイパーエボリューション3」の核心までを訊いた。
キャンピングカーの常識を覆したナッツRV「エボリューションシステム」進化の軌跡
開発の原点:外部電源に頼らない「急速走行充電」への挑戦

── 開発において、特に苦労されたのは?
車内の限られたスペースを犠牲にせず、いかに効率よくルームエアコンを稼働させるかの検討に苦労しました。また、バッテリーを増やせば一晩はエアコンを使えるが、連泊となれば「充電」が大きなカギになります。
そこで、外部電源に頼らずに急速充電を行なう「エボリューションシステム」を開発しました。これまでにない概念だったため、試行錯誤の繰り返しで1年以上の期間を要しました。大電流を扱うため、オルタネーターから最短位置にバッテリーを配置し、電線や接続端子の品質、加工技術の見直しなど、根本的な品質向上も含めて開発を進めました。
── 2016年、常識を覆す「エボリューションシステム」の誕生
それまでの「走行充電では満足に充電できない」という常識に風穴を開けました。当時は使用電力に対して充電が追いつかない状況が多く、自由に旅をするというレベルには至っていませんでした。しかし、このシステムによって圧倒的な走行充電スピードを実現。前日に消費した電力を翌日の走行で回復できるようになり、場所や天候に左右されない自由なクルマ旅を可能にしました。
さらなる進化、そして最新システム「ハイパーエボリューション3」へ
ナッツRVの挑戦は走行充電だけにとどまらない。従来の鉛バッテリーの弱点を克服するため、軽くて大容量なリチウムイオンバッテリーの採用へと舵をきる。しかし、同社はそれを単に搭載するだけでなく、安全性と性能を極限まで引き出す独自のシステムへと昇華させていく。
昨今の猛暑や車内家電の増加に伴い開発された最新の「ハイパーエボリューション3」では、600Ahの大容量バッテリーや2000W出力のインバーターを搭載。一晩中エアコンを使っても余裕のある自由な電力利用を実現しているが、実はその裏には、「高断熱パネルによる車体構造」との驚くべき相乗効果が隠されている。

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後編では、冷房機器の最新トレンドからアイテムを紹介する。
