バンコン製作の老舗、オーエムシーはこれまでも常設2段ベッドを備えたモデルを多数ラインナップしてきた。その最新作「ゼロ」は、ハイエー スの標準ボディ車をベースに架装。 乗用車5ナンバーサイズのボディに最大限の居住性を持たせるために提案された独自のレイアウトとは?
就寝とくつろぎを最優先し架装
オーエムシーの2段ベッドモデルというと、ハイルーフ車で制作した「narrow 銀河」、ワイドボディベースの「北斗」など、それぞれに特徴のあるモデルが揃っている。
この「ゼロ」は標準ボディに標準ルーフと、他のモデルよりも小さいベース車で製作されており、最大の特徴となるのがフロント部分の作り込み。ダイネットの基本形は1+1人の単座による対面式だが、2段ベッドの上段部分を下ろすと背もたれになる構造をとっている。下段を座面として2人がゆったりと座れるのだ。車両サイズやコンセプトを考えると2人仕様とも思えるが、3人でも利用可能。 子供が小さければ4人でも大丈夫なほど。乗車に関しても、6人乗りだが4人であれば全員が前向き乗車できる。
さらにリヤスペースの使い方にも独創性があり、キッチンを優先して配置。リヤ左がシンクと調理台、右が冷蔵庫と電子レンジ。十分なフロアが確保されており、足下空間に余裕があるほか、荷室としても利用できる。ポータブルトイレも標準装備で、リヤスペースのフロアに置いての使用も無理がない。コンパクトな空間を見事に活用した1台だ。