東京の喧騒を抜け出し、東北道を北へ走ること約4時間。めざすは福島県・猪苗代湖。 磐梯山の麓、標高約500mに位置する湖畔の街へ、自転車と車中泊ギアを軽バンに詰め込んで向かう週末の旅。 今回の相棒は、今年登場した日産の寝られる軽バン「クリッパーバン マルチラック」。これは、サイクルスポーツ誌編集長エリグチによる、RVパークを拠点とした快適な車中泊サイクリング旅の記録である。
湖畔をめぐる60kmの快走と温泉の魅力
早朝に東京を出発し、福島県の猪苗代湖へ。早速愛車を降ろしてライドへ繰り出す。 猪苗代湖一周、約60kmの通称「イナイチ」へ出発。この「イナイチ」、平坦と思われがちだが、実際は適度なアップダウンが続く走り応えのあるコース。レンタサイクルのサービスもあり、手ぶらでも楽しめる。
交通量の少ない湖畔沿いの道を、澄んだ空気を感じながら走る心地よさ。磐梯山を望む絶景と、穏やかな水面を横目にペダルを回す、育児の合間に訪れた贅沢な時間を堪能した。

そして風呂を愛する身としては、サイクリング後の楽しみといえば、温泉。今回は歴史ある温泉地としての顔を持つ猪苗代の温泉で体を癒やす。 走って、湯に浸かり、そして地元の食に舌鼓を打つ。これこそが、僕の自転車旅の醍醐味なのだ。
旅の拠点、RVパークホテルリステル猪苗代

そんな今回の旅の拠点は、「ホテルリステル猪苗代ウイングタワー」併設のRVパーク。 公共駐車場とは異なり、車中泊をするための駐車スペースで全国に676か所(2026年7月現在)もある。車中泊用の広いスペースはもちろん、電源設備やゴミの処理、トイレなど、車中泊旅に必要な設備が揃っている。今回利用したRVパークはリーズナブルな料金にもかかわらず、ホテルの設備を利用でき、安心感と快適性が魅力。こちらのRVパークはチェックインは午後1時、チェックアウトは翌朝11時と最大22時間利用可能。今回は目一杯利用させてもらった。というのも、ライド中に車を安全に留めておける点も、サイクリストにとって絶大なメリットだから。




ホテル併設ならではの特典として、館内の大浴場、しかも温泉をゆったり利用可能。 夜は館内の居酒屋やレストランで地酒や食事を堪能し、そのまま車内の寝床へと戻れる。 まさに大人のためのスマートな車中泊スタイルである。
現場で体感。軽バン「クリッパーバンマルチラック」の真価
ライドを堪能してRVパークに到着。この旅では、クリッパーバンマルチラックはただのクルマではなく、愛車も収納する「移動できる大人の秘密基地」。 純正ベッドをセットし、下段に前輪を外した愛車、ポータブル電源やコンテナを格納。 上段には、広大なフルフラットの専用寝室スペースが出現。


有孔ボードにヘルメットやランタンをレイアウトし、まるで移動する自室のような居心地の良さ。 4分割マットの一部を持ち上げるだけで、車外に出ず床下の荷物に手が入る利便性も感動的。 175cmの身体を真っ直ぐ伸ばしてぐっすりと眠り、翌朝はすっきりとした目覚めを迎える。

移動の道具を超えた「遊びの相棒」

片道3〜4時間のドライブも、軽バンならではの小回りの良さと取り回しでノーストレス。 過剰な豪華設備で空間を埋め尽くさず、自分のアウトドアギアを自由に持ち込める「余白」の美学。
猪苗代の豊かな自然、極上の温泉、そして愛車と快適に過ごした車内のひととき。 「クリッパーバンマルチラック」と過ごした一泊二日は、これからの自転車旅の可能性を広げてくれる最高の週末であった。

