キャンピングカー・ビルダー紹介

キャンピングカーの裏側?進化を続けるRVランドオリジナルモデルの製造現場に潜入!

工作機械による精密な加工と職人の手がつくるこだわりのキャンピングカー家具

キャンピングカーの楽園、RVランドのオリジナルモデル、リノプレミアム。ラウンジ型の特徴的なダイネットに座って目に入る家具の数々は、過ごす人に美しさを感じさせ、そしてあらゆる場面で使い手にストレスを与えない。それは、自社モデル以外にもたくさんのクルマを見ているRVランドだからできる、見えないところまでこだわった家具、内装からきている。今回は普段は見ることのできない、その家具の製造現場に潜入。

リノプレミアム

リノプレミアムは、RVランドのオリジナルモデル。東京キャンピングカーショーでこちらのコンセプトモデルとして、明るいベージュとさわやかなブルーのインテリアのモデルが出展していたことは記憶に新しい。通常のカタログモデルのリノプレミアムが、ダークブラウンを基調にし、上品で重厚感のある落ち着いた印象なのに比べ、今回のコンセプトモデルはその反対に軽やかでよりカジュアル、そしてスマートな印象。実際比べてみると、レイアウトなどは全く変わっていないのにも関わらず、違うクルマのような印象を受けるほど。北欧テイストのカラーで、お気に入りのラグやクッション、食器などを置きたくなるおしゃれさも。

そのリノプレミアム、今回新しいカラーが登場しただけでなく、細かなところもブラッシュアップされている。例えば、座席下の収納庫の扉。今までは少し出っ張りがあるデザインだったが、より高度な家具の加工、組み立て技術が必要になる、扉部分の段差がなく一面フラットなデザインに。これを支えているのが、昨年導入された精密加工機械と長年手作りで家具を作ってきたRVランドの職人の腕だ。

前方にキッチン、後方にU字のラウンジ型ダイネット。このラウンジ部分がベッドにもなる
さわやかなブルーと明るいベージュ、白のインテリアになり、印象がガラリと変わった
新しいデザインになった座席下の収納庫部分の扉。段差がなくなりスッキリとした印象に
ズレやガタつきもなく取り付けられている

リノプレミアムの詳細が気になる方はこちらも!

リノプレミアムの家具が生まれる場所

リノプレミアムの家具は、本社敷地内の工場で制作されている。材料の切り出しを精密加工機械が、切り出したパーツの組み立てと、クルマへの据え付けをRVランドの職人が行っている。以前は、材料の切り出しにも人の手が必要だったが、精密加工機械を導入したことで、機械に任せることができるように。それにより、今まで1台分の材料の切り出しに1週間程度かかっていたところ、現在は2日程度で行えるようになっている。さらに、より高く均一な質も担保できるようになった。ちなみに、この家具の材料になる板、これもRVランドの中で、外側の木目のパネルと、内部の木材が貼り合わされて作られているもの。

また、この加工機械、平面的な加工だけでなく、3D、立体的な加工をすることもできる。なので、これを導入したことで、今まで実現できなかったデザインや、人の手では加工できないようなデザインにもチャレンジできるように。現在は、平面的な加工に使用しているとのことだが、今後、この機械の特性をもっと生かしたデザインの家具作りも行なっていきたいとのこと。どんなデザインが生まれるのか、今から楽しみだ。

設計図に基づいて寸分の狂いなく切り出されていく
切り出された材料。キッチン部分のカウンターとダイネットのテーブルだ
ムダなく、木目のつながりなども考えられて切り出されているのが、切り出し後の板からわかる
以前はこのような機械を使って人の手で切り出していた
球体やワインボトルのような立体を削り出すこともできる
板材に、木目模様の板を貼り付け、家具のもととなる材料を作る

さて、この加工機械で切り出された材料は、職人の手に渡り、細部の処理をしたり、家具の形へ組み立てられたりしていく。注目したいのは、端の処理の細かさはもちろんだが、最終的には見えないところまできちんと処理されているところ。そして、材料が精密に切り出されていることと、組み上げる職人の腕から生まれる、縦のラインや横のラインの美しさ。これが少しでも斜めになったり、すきまが空いたりすると、見た目に違和感を感じたり、ガタつきや走行時の異音の元にもなってしまう。もちろん引き出しなどはその動作にストレスを感じることにもつながるだろう。使い手に「何も感じさせない、いい意味で普通」というのは、実はすごいことなのだ。

切り出したばかりの材料。断面の毛羽などを処理し、他の面と同じ木目、色に加工する
組み立て途中の家具。それぞれのパーツのすきまが一定の間隔で美しい

そして出来上がった家具がクルマに据え付けられる。ここは職人技の光るところ。というのも、家具は加工機械の導入より寸分違わず製作できるようになったが、クルマはそうはいかない。1台1台微妙な違いがある。そこを調整しながら不具合がないように据え付けて行くのが腕の見せどころだ。

壁に貼られたファブリックやもともとの凹凸などとの関係をうまく調整しながら、据え付けられた家具
タイヤハウスまできっちりファブリックで覆われている。普段は全く見えない座席下の部分にあたるところだ

さまざまなビルダーのクルマが一堂に集まり、実際に見ることができるのもRVランドの魅力だが、そんな国内外のキャンピングカーに日々触れているRVランドのスタッフが作り上げるオリジナルモデルは、このような「RVランドだからこそ」のこだわりが詰まっているのが魅力。このリノプレミアムもその1つ。ぜひ実際にその特徴的なレイアウトと、見えないところまでこだわったクルマを見てみてほしい。

RVランド本社展示場

住所:茨城県常総市大塚戸町1600-1
TEL:0297-27-6767
FAX:0297-27-6768
営業時間:10:00~17:00
定休日:毎週火曜、第1/第3水曜(祝日営業)
WEBサイト:https://www.rvland.co.jp/index.php

関連メーカー/ビルダー情報