同じ「クルマ」とはいえ、乗用車とはその使い方も載せている「荷物」も違うのがキャンピングカー。だからこそキャンピングカーにはキャンピングカーのためのタイヤを選びたい。2019年からキャンピングカー用タイヤを日本で発売してきた日本ミシュランタイヤが現在発売しているキャンピングカー用タイヤ「クロスクライメートキャンピング」を例に、キャンピングカーのタイヤについてお伝えする。ぜひ次のシーズンのタイヤ選びの参考にしてほしい。
そもそもキャンピングカーと乗用車、何が違う?
キャンピングカー用のタイヤの話の前に、整理しておきたいのがキャンピングカーと商用車、どこに違いがあるのかということ。どちらもクルマであることには変わりはないが、積載しているものの重さが桁違い。いわゆる8ナンバーのキャンピングカー装備を備えるクルマであれば、キッチンやトイレ、テーブル、ベッドそのほかの家具などかなりの重さの「荷物」を、走行中はもちろん、停車中も含め常に載せているのはイメージしていただけるだろうか。そしてその重さが最終的にかかっているのが「タイヤ」なのだ。もちろん重いということは、それだけ負担もかかっているということ。
また、キャンピングカー、特にキャブコンのベースのクルマはいわゆるトラックと同じタイヤサイズ。なので、それに合うタイヤはトラック用に作られたものがほとんど。日々重い荷物を安全に運ぶために、大きな負荷やハードな使用に耐えるよう設計されており、乗り心地は……乗用車のタイヤとは全然別物なのだ。
知って選ぼう! キャンピングカー用タイヤのポイント
そこでキャンピングカーユーザーに知ってほしいのが「キャンピングカー用タイヤ」という選択肢。キャンピングカーの特性や使用場面を考えて作られたタイヤなのだ。そもそもここでキャンピングカー用のタイヤと呼ぶものは、「キャンピングカー規格」に準じたタイヤのこと。タイヤの規格は主に「日本」「アメリカ」「ヨーロッパ」3つの規格があり、「キャンピングカー規格(CP規格)」はその中のヨーロッパの規格の中で定められているもの。
キャンピングカーは、その特徴の通り「常に」重い荷物が載っているクルマ。でも同じようなタイヤサイズを履くトラックなどは、重い荷物を満載して走ることも、空荷で走ることもある。キャンピングカーとは違いそのタイヤにかかる負荷の変動が大きいのだ。ここがキャンピングカー用のタイヤのポイント。走っているときも、止まっているときも常に重い荷物による負荷がかかり続けることに耐えられるように作られているのだ。
ミシュランのキャンピングカー用タイヤ「クロスクライメートキャンピング」
そんななか日本で発売されているキャンピングカー用タイヤの1つが「クロスクライメートキャンピング」。こちらは2022年に日本での発売が開始されたが、それ以前にも「アジリスキャンピング」というキャンピングカー用タイヤを販売してきた。それもそのはず、ミシュランはキャンピングカーの本場ヨーロッパ、フランス生まれの会社なのだから。
このクロスクライメートキャンピングの特徴は、空気をたくさん入れられること。それによりキャンピングカーならではの荷重の負荷に耐えられるようになっている。
さらに、タイヤの構造や溝のパターン・深さを工夫することで、走行時のふらつきを抑え、乗り心地もトラック用のタイヤに比べよくなっている。そのほか、タイヤの側面にはブロック状のパターン「サイドウォールプロテクター」を配置されており、縁石などによるスレからタイヤを守ってくれる。
もちろんそのタイヤの性能をしっかり発揮させるためにも、日頃の空気圧やタイヤの状態の点検がなによりも大切。そのときに役に立つある工夫がミシュランのタイヤには施されている。
それが、タイヤの摩耗具合を目視で簡単にチェックできる階段状のインジケーター。タイヤには、摩耗具合をチェックするための「スリップサイン」というものがどのメーカーのタイヤにも付いているが、そのスリップサインに対して何%摩耗しているかがわかるようになっているのだ。さらにそのインジケーターやスリップサインのところには「ミシュランマン」がデザインされており、場所もすぐわかるようになっている。