2024年も多彩なキャンピングカーが登場し、ユーザーに新たな選択肢をもたらした。ここではオートキャンパーがこの1年で掴んだハイエースなどのバンコンニューモデルを一挙公開する。
「ハイエースがない!!」
日本のキャンピングカーの新車販売台数の約半数を占める巨大ジャンル・バンコン。なかでもハイエースは長らく主役であり続けたが、生産停止につぐ生産停止で品薄状態が続いた。そのため2024年は日産キャラバンベースで作られたキャンピングカーも増加した。
ハイエースもキャラバンも様々なボディサイズがあるが、「機動性と居住性のバランスならスーパーロング」「ミニバン的に使いたいならハイエースワイドボディミドルルーフ」「もっと手ごろなサイズなら標準ボディ標準ルーフ」というようなイメージで探すと良いのではと考える。特に標準ボディ標準ルーフは乗用車で言う5ナンバーサイズなのでかなり運転がしやすい。
(ところで、全幅は「標準ボディとワイドボディ」、全高は「標準ルーフとハイルーフ」だから当然全長も「標準とロング」となるはずのところ、「ロングとスーパーロング」なのがややこしい。なのでもっとも小さいのは「(全長は)ロング・(幅は ) 標準ボディ・(高さは ) 標準ルーフ」となる)
主力ジャンルのためめちゃくちゃ台数が多く、キャラバンについては下記の記事で詳しくまとめているのでそちらをどうぞ!
ハイエースキャンピングカー21選
コルドバクルーズ【スーパーロング・ワイドボデイ・ハイルーフ】
機能性とデザインが両立したモデルが復活
2024年にトイファクトリーの「コルドバクルーズ」が復活した。 4人乗りで就寝2人、お値段は720万円から。 2010年にGTの使いやすいレイアウトとバーデンのエクステンションボックスを組み合わせたいいとこ取りのレイアウトとして誕生し、このたびの復活ではシックな大人の2人旅仕様に大変身。
トイファクトリーが輸入するウォーターレストイレ「クレサナ」が標準装備される、最先端装備の上級モデルになった。ルームエアコンやトイファクトリーが輸入するスーパーBのリチウムイオンバッテリーシステムはオプション装備となるが、あれば快適なことは間違いなし。
トイズボックス470ハイルーフ【ロング・標準ボディ・ハイルーフ】
ミニバン感覚で乗り回せるマルチユースモデル
トイファクトリーの2024年デビューのもう1台、トイズボックス470ハイルーフは従来モデルの進化系で、ハイエース標準ボディハイルーフ車に「乗る・寝る・積む」の3要素をバランスよく詰め込んだ。6人乗り2人就寝で、お値段は498万円から。セカンドシートは前向きにも後ろ向きにもなるREVOシートで、これがベッドになったりくつろぎリビングを作り出したり大活躍する。
トリプル断熱加工が施されていたりと基礎能力が高いので、1年中快適に使い倒せる。オプションでルームエアコンやFFヒーターが設定されているので遊びたいシーズンに合わせて選ぼう。
リトリート プレミアムエディション【スーパーロング・ワイドボディ・ハイルーフ】
オシャレで快適なプライベート空間を追求した
ダイレクトカーズのリトリート プレミアムエディションは4人乗り4人就寝のハイエースバンコンで、柔らかなウッドデザインを多用した室内は「リトリート=隠れ家」のネーミングにふさわしい、上質なプライベート空間に仕上がっている。レイアウトはまえ向きにも後ろ向きにもできるセカンドシートを起点に、ゆったりベンチや常設のベッドなど、気持ちの良いスペースをいくつも用意。
フロント部分まで統一した質感でカスタムしているのもポイント。ドライビングシートだけでなく、ダッシュパネル、ドアパネルに至るまで、セカンドシート以降の居住空間と自然とつながるコーディネートで、室内どこにいても満足感が高い。お値段は729万円から。
バンスタイル【ロング・ワイドボディ・ミドルルーフ】
お値段398万円~!日常使いも車中泊にも大活躍
ダイレクトカーズのバンスタイルは5人乗り2人就寝で日常使いしやすいシンプルモデル。セカンドシートは純正のままなので前向きで5人が移動できるし、ワイドボディミドルルーフなので車中泊空間はしっかり広く。そして値段398万円から!
車中泊ゾーンのカウンターには引き出せるシャワーホースつきのシンクがあるなど、わかってるなあという装備もしっかり。クーラーが欲しければオプションで対応可能。こういうのでいいんだよという声も多そうだ。
アクロススタイル【ロング・ワイドボディ・ミドルルーフ】
リアルウッドが上質感マシマシ、嬉しい電子レンジ標準装備
ダイレクトカーズのアクロススタイルは7人乗り3人就寝(大人2人+子供1人)、お値段506万円から。ダイレクトカーズが得意とするリアルウッドをづかいが映える1台だ。2列目が前後向きが変わるREVOシートなので前向き5人乗りが可能。
後部のサイドカウンターにはコンセントやUSBポートなどの電装系、埋め込まれたシンクの上にはアイリスオーヤマ製の電子レンジも。キッチンの天板は開閉式でその下には収納庫もあるなど、かなり充実した作り。電子レンジやシンクの位置はバックドア開けてすぐのところなので、アウトドアキッチンとの連携もいい。様々なユーザーニーズに対応できる。
ネクストスタイル【ロング・ワイドボディ・ミドルルーフ】
お値段389万円から!車中泊に最適なシートレイアウト
ダイレクトカーズのネクストスタイルは6人乗り2人就寝、お値段389万円から。本記事の中でも屈指のお買い得車だ。ハイエースワゴン純正のセカンドシートを残して、後部にサイドソファを作ったレイアウトはシンプルだが、車中泊仕様として必要な要素はしっかり満たしている。
マットを敷くだけで簡単にベッドメイクできる簡単さや車外に引き出して使えるシャワーなど、バンコンを知り尽くしたメーカーが厳選した装備たち。安心して車中泊に乗り出せる。
モビーディック SH#02【スーパーロング・ワイドボデイ・ハイルーフ】
8人乗車できるワゴンとしても、ゆったり2人旅用としても
大手自動車販売店FLEXのキャンピングカーブランド・モビーディック。SHとNHのシリーズは標準ボディハイルーフのNHとスーパーロングハイルーフのSHという2タイプのボディに、01と02の2つのレイアウトが用意されている。
SH#02はスーパーロングの広大な空間を生かして、快適に2人旅やペット旅を楽しめる1台に仕上げた。レイアウトはL字のキッチンを前方に、いかにも楽しげなコの字のリビングを後方にセット。インテリアはシンプルなデザインで質が高い。
8人乗りの設定なので、大人数で移動するコミューターとしても活躍できる。また、ハイエースの在庫を潤沢に用意しているため、納期が早いこともありがたい。
モビーディック NH#01【ロング・標準ボディ・ハイルーフ】
ミニバンとして使い倒せるキャンピングカー
さきほどのSH#02はスーパーロングの02タイプというレイアウトだったが、NH#01はその反対に「標準ボディハイルーフ」で「01」タイプのレイアウト。01タイプは車両後ろ側にキッチンが来て、後部のソファとL字でリビングスペースを構成する。5人乗りの大人2人+子供2人就寝タイプだ。
5人全員が前向きに座って移動できて、室内レイアウトのパターンも多彩。なによりサイズ感が手ごろなので、本当にガチでこれ1台で普段使いも車中泊旅にも対応できる。さすがの使い勝手の良さだ。
ワイドバンコンセプト✕ノットレコード【ロングワイドボディミドルルーフ】
オリジナルアイテムで全身コーディネート!
FLEXからはこんなハイセンスな車中泊仕様も。ワイドバンコンセプト✕ノットレコードは10人乗り2人就寝の設定。ハイエースバンS-GLに設定されたメーカーオプションのアースカラーパッケージにレトロなカスタムを施した。外装はRe Classic(アールイークラシック)キットで丸目オシャレに、内装もオリジナルベッドキットにノットレコード仕様のシートカバーでヴィンテージオシャレに。
ベッドキットはフレームに4枚のマットを乗せるだけという簡単仕様で、荷物の大きさに合わせて高さを調整できる。上の写真のように2列目シートと高さを合わせれば超絶広いベッド空間に。これでお値段は459万8000円から。素敵です。
バージョン4×ノットレコード【ロング・標準ボディ・標準ルーフ】
ヴィンテージ調のオシャレインテリアで気分がアガる
バージョン4×ノットレコードは5人乗り2人就寝、お値段498万円からのハイエースモデル。ワイドバンと似ているが、こちらは左右にボックス家具があり、真ん中のマットを外すとソファゾーンが作れる。
バージョン4というFLEXのレイアウトに、ノットレコード仕様のビンテージレザー調のシートカバーやベッドマットでコーディネートしたのがこちらのモデルになるが、現行ハイエースをここまで渋くキメられるかと感心する。もちろん外観もRe Classic KITでキメキメだ。
モビーディック ベルーガ【ロング・ワイドボディ・ミドルルーフ】
アクティブに使える機動力抜群の万能キャンパー
FLEXのモビーディック ベルーガは6人乗り2人就寝、お値段506万円から。セカンドシートは前後向きが変えられるFASPシートなので前向きに5人が移動できる。後部はサイドソファとキャビネットという構成で、大人数がくつろぐリビングとしても使いやすいし荷物を大量に載せたい時にも活用できる。
家具の角部分にコーナーパネルを用い、足や頭などをぶつけにくくしているのも好印象。モビーディックシリーズのコンセプト「普段使いできるキャンピングカー」を体現する存在だ。